NY市 配車サービスに追加規制。ライセンス上限延長に加え、空車時間の上限も

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ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は12日、ウーバーやリフトなどの配車サービスのライセンス発行数の上限に関する規制を延長するとともに、空車の状態で運転する時間に上限を設けることを発表した。厳しい制限を設けることで、渋滞緩和とドライバーの賃金上昇につなげる狙い。

ライセンス数に関して、ニューヨーク市は昨年8月から、一年間の予定で発行数に上限を設けた。現在85,000台に上限が設定されている。今回の決定により、車椅子でのアクセスが可能な自動車と電気自動車を除く配車サービスの自動車に対し、8月以降も上限規制が継続することとなる。

空車時間の上限も設定

空車の運転時間の上限については、マンハッタンの96ストリート以南の走行に適用する。平日の午前6時から午後11時時、休日の午前8時から午後11時の時間帯について、配車サービス企業に対し、空車での走行時間を段階的に31%まで引き下げることを義務付ける。
発表によると、現在の空車の走行時間は41%で、2020年2月までに36%に、2020年8月までに31%に引き下げる。空車時間の上限を100時間超える毎に、罰金350ドルが科せられる。

市長は声明で「長い間、アプリ企業は勤勉なドライバーを利用し、我々のストリートを渋滞で苦しめ、労働者達を貧困に追いやってきた。ニューヨークではこの時代は終わろうとしている。」と述べ、一連の規制について「ドライバーの賃金上昇と、我々の都市にとって渋滞の減少を意味する」と目的を語った。市は、夕方のラッシュアワー時間帯の速度が10%、繁忙時間帯のドライバーの時給が20%上昇すると予測している。

市長の発表を受け、ウーバーの広報担当は「上限は新たなメダリオンシステム、運転するために(車を)借りなければならない下層階級のドライバーを永遠に生み出す」と反対を表明。リフトは、規制は誤った方向へ導くとし、「さらなる規制は乗客の減少と収入の低下をもたらすだろう」と述べた。
ウーバーは2月に、市の定めた上限数の設定に関して、訴えを起こしている。

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市の規制について、全てを歓迎しないドライバーもいるようだ。CBSは、上限規制により自分が所有する自動車の登録ができず、ライセンスのある車をリースするために週375ドル支払い続けているドライバーの声を紹介している。