NY州 不法移民の運転免許証取得を可能に

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ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ(Andrew Cuomo)州知事は17日、不法移民に運転免許証の取得を可能にする法案「グリーン・ライト法」(Green Light Bill)に署名した。

法案は同日、州上院を33-29で通過した。上院トップのアンドレア・スチュアート・クーザン(Andrea Stewart-Cousins)議員(民主)は「我々は本日、在留資格に関わらず、すべての資格ある運転手に免許証を得る権利を復活する法案を通過させた。この必須の法案を通過させることで、我々は、道路を安全にしつつ、経済を成長させることができる。これは、NY州にとって正しい一歩であり、我々は連邦レベルでの移民法の包括的改革を唱えつづける。」と語った。

法律は180日後に施行され、12月以降免許取得が可能となる。取得には、他の運転手同様、自動車保険の加入が義務付けられる。

発表によると、新法によって州には最初3年間、8,390万ドルの歳入増が見込まれる。4年目以降は、毎年640万ドルがもたらされる。4年前に方針を変更したコネチカット州では、無免許運転の有罪事件が4,000件減少。ひき逃げ事件は2016年から2018年にかけて9%減少したという。

上院の法案通過に先立ち、クオモ州知事は、連邦捜査当局がDMV(車両管理局)の記録にアクセスできることを理由に、署名を拒む姿勢を示していた。しかし、レティーシャ・ジェームズ州司法長官が法案には十分な保護が含まれているとし、支持を明確にした後に姿勢を一転。署名に至った。

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市民の半数は反対

不法移民の免許取得に関しては、市民の反対も多い。月曜に公開されたシエナ大学の世論調査では、半数以上の市民が不法移民の免許証取得に異議を唱えた。
共和党上院トップのジョン・フラナガン(John J. Flanagan)議員は、法案が可決されれば「民主党は、壮大な政治的過ちを引き起こす。」と批判していた。

現在、ニューヨーク州を含む13州が、合法的な滞在資格をもたない移民に対し、運転免許証の取得を可能としている。

NYタイムズによると、現在約94万人の不法移民がニューヨーク州に住む。2001年以前は、滞在資格に関係なく、運転免許書を取得できた。しかし、9/11同時多発テロ事件以降、ジョージ・パタキ(George Pataki)元州知事(共和)が、ソーシャルセキュリティ番号を免許申請の要件に加えたため、実質的に合法的に滞在する人が取得の対象となっていた。その後、不法移民の免許取得は、何十年も議論の対象となっていた。