米当局の不法移民一斉摘発 – 市長ら反対を表明

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ニューヨークタイムズは、移民税関捜査局(ICE)が23日の朝から、不法移民の家族の一斉摘発を実施する計画であることを報じた。

対象は、国外退去命令を受けている約2,000家族で、バルチモアやシカゴ、マイアミ、ロサンゼルス、ニューオーリンズなど10都市で摘発が行われる。その他の都市のICE部隊にも、国外退去を実施するための準備をするよう通達がされているという。

すべての都市の家族が拘束させられるかは不明だという。ある政府関係者の話によると、ニューヨークの職員は不法移民の家族の家に行き、30日以内に国外に出るよう指導するよう命じれらている。家族は追跡のためのブレスレットを足首に装着される可能性もあるという。

今週、ICEのマーク・モーガン局長は記者団に対し、移民裁判所から国外退去命令を受けた家族を対象にすると述べていた。また、中央アメリカからの流入を阻止するために、最近になって入国した不法移民家族を国外退去させたいと語っていた。

当局側が取り締まりを数日前に公表するのは異例だという。

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税関・国境警備局の元政策顧問のカーディナル・ブラウン氏は「目標が人々を逮捕し、拘束することであるならば、このようにすべてを公表するのは得策ではない」と述べつつ、「人々に恐怖を与え、怖がらせることが目的ならば、ミッションを達成している」と語った。

強制的な取り締まりに対し、サンクチュアリシティの市長らは協力を拒む姿勢を示している。

シカゴのローリ・ライトフット(Lori Lightfoot)市長は声明で「シカゴは我々の移民コミュニティーを支援するための具体的対策を実施する」とし、ICEによるシカゴ警察のデータベースへのアクセスを打ち切ることを指示したほか、このような手入れに強く反対することをICEのリーダーへ伝えたと語った。さらに「シカゴ警察はICEの取り締まりに対して協力または支援をしないと念を押した」と述べ「シカゴは常に迎え入れる都市であり、移民と難民コミュニティーの権利の擁護者である。法的な支援が必要な住民は、ナショナル・イミグレーション・ジャスティス・センターにコンタクトするよう推奨する」と語った。

ワシントンD.Cのミュリエル・バウザー(Muriel Bowser )知事は、都市は「誇りあるサンクチュアリシティでありつづける」と述べ、「これら不安をかきたてる脅威に直面するなか、我々はすべての移民家族の権利を守ることを約束する」と語った。

ロサンゼルスのエリック・ガルセッティ(Eric Garcetti)市長も、市と地元警察はICEの取り締まりを支援しないことを約束。声明で「ロサンゼルスは常に移民の兄弟達とともにあり、警察官は決してこれらの行動に加担することはない」と述べ、「いかなるアンジェリーノも家から連れ去られ、愛する家族と離れ離れになることを恐れてはならない。彼らが必要とする情報やサポートなど、移民家族に提供できることはすべて行うつもりだ。」と語った。

カリフォルニア州のギャビン・ニューサム(Gavin Newsom)知事は声明で「大統領の提案による捜索は残酷で誤っており、不必要な恐怖と不安を掻き立てるものだ。」と述べ、「カリフォルニア州民には、滞在資格に関わらず、法的権利と保護があることを知ってほしい。カリフォルニアは、学校や裁判所、病院、クリニックを含め、避難の場所である。我々には一定の神聖な機関があり、人々は必要とするプログラムやサービスにアクセスしつづけるべきだ」と語った。

ニューヨーク市のビル・デブラシ(Bill de Blasio)市長は「ニューヨーカーは家族を引き裂き、移民を影に追いやる策略によって分離されはしない」と非難。ICEの捜索を受けた時のための権利や対応を記した文書をSNSで共有した。