一般教書演説「切り裂きナンシー」がトレンドワードに

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トランプ大統領は4日、一般教書演説を行い、記録的低水準の失業率や株価上昇といった経済政策の実績、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の署名、中国との貿易に関する第一段階の合意など、アメリカファーストの成果をアピールした。

演説中、保険や移民政策を巡って、民主党批判を展開した。「ヘルスケアと医者をあなた方から取り去り、民間の保険企業を廃止しようとする人々がいる」と、民主党で支持が拡大する進歩派の政策を批判。「アメリカの納税者に対して、不法移民に無料のヘルスケアを無制限に提供するのを強いることが公正であると思うなら、進歩左派につけばいい。しかし、アメリカ人の患者と高齢者を護るべきだと信じるなら、私と共に立ち上がり、不法移民への政府による無料ヘルスケアを阻止する法案を通過させよう」と語りかけた。また自身の保険政策について、「既往症のある患者を常に保護していくつもりだ。これは保証だ」と述べた。

厳格化を強める移民政策について、移民関税捜査局(ICE)が昨年拘束した外国人の犯罪者は12万人になったと成果を強調する一方、聖域都市では、行政が警察官に危険な外国人の犯罪者をICEに引き渡しをせず、公衆に解き放っているとニューヨークやカリフォルニア州のサンクチュアリ政策を非難。先月ニューヨーク市で起きた不法滞在者による92歳女性の暴行殺人事件に触れ、ICEの勾留要求に市が応じていたならば、犠牲者は今日まで生きていることだろうと語った。

#切り裂きナンシーがトレンドに

この日は、弾劾裁判で対立を深めるナンシー・ペロシ下院議長とトランプ大統領の数ヶ月ぶりの対面に注目が集まった。二人が顔をあわせるのは昨年の10月以来だという。

ペロシ氏は、トランプ氏から原稿を受け取る際に握手を求めたが、トランプ氏が拒否したとみられる場面があった。

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一方、ペロシ氏が開始のアナウンスを「議員のみなさん。合衆国大統領です」と省力したことも話題となった。ポリティコによると、下院議長は伝統的に、大統領を招き入れる栄誉にあずかる意を表すのが習わしだという。

極めつけは、ペロシ氏が、演説終了直後にトランプ氏から受けっとた原稿のコピーを引き裂いたことだった。演説を終え、胸を貼って会場の喝采を浴びる大統領の背後で、ペロシ氏が原稿を破る様子は、トランプ氏以上にニュースを独占。ネットでバイラルとなり、「#NancytheRipper」「#NancyPelosiROCKS」「#PelosiTantrum」が「#PelosiDisgrace」がツイッターのトレンドワードとなった。

ペロシ氏は、その後の声明で演説を「事実を捻じ曲げたマニフェスト」と非難。「トランプ大統領は、既往症者の保護を撤廃しようとする、裁判所における自身のアクションについて正直ではなかった」と述べ、「来週、大統領は予算を提示する。国民は彼のアジェンダの厳しい現実を目の当たりにすることになるだろう。連邦予算は国家の価値の表明としてあり、大統領は悲しくもアメリカ人の健康を大切にしていないのだ」と語った。