文学のブラックフェイス?米書店バーンズ&ノーブル 批判受け 古典作品ダイバース版を出版中止

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米大手書店チェーンのバーンズ・アンド・ノーブル(BARNES & NOBLE)は5日、作家らの批判を受け、古典作品のダイバース・エディションの出版を中止すると発表した。

ダイバース・エディションは、「白鯨」や「ロミオとジュリエット」「宝島」など12の古典作品のカバーにアーティストが描いた有色人種のイラストを採用するというもので、黒人歴史月間にちなんで計画された。各作品とも人種の異なる5つのバージョンを出版する予定だった。

選定にあたっては、登場人物に関する人種の言及の有無について、人口知能で100作品の調査が行われたという。計画はニューヨーク5番街店とペンギン・ランダムハウスのパートナーシップによるものだった。

4日に販売開始を告知すると、ツイッターには多くの批判が寄せられた。

作家のL. L. McKinney氏は「文学のブラックフェイス」と非難。一方、Nnedi Okorafor氏は「フェイクの多様性」は「解決策」にならないと批判。「有色人種が描く新しい有色人種の話が解決作策だ」と語った。

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また、作家のアンジー・トーマス (Angie Thomas)氏は「有色人種の著者の本をプロモートしたら。ふと思ったのだけど」と考えを述べた。

同社は声明で、「ダイバース・エディションに関する問題を指摘する声を受けとめ」、計画中止を決定したと発表。カバーは「黒人の主張や有色人種の作家の代わりに用いたのではない」と述べ、プロジェクトは黒人月間の「気づきや議論」を高め、「古典作品を促進するのに役立つと確信していた」と目的について語った。