プーチン氏 ゼレンスキー大統領殺害しないと約束、イスラエル元首相

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ロシアによるウクライナ侵攻の開始初期に仲介役をつとめたイスラエルの ナフタリ・ベネット元首相は、プーチン大統領が協議の中で、ゼレンスキー大統領を殺害しないことを約束したと明かした。

約5時間におよぶイスラエルのジャーナリストとのインタビューで、ベネット氏は、バイデン米大統領やブリンケン国務長官に、自分の話にはプーチン氏が耳を貸すと告げ、仲介役を申し出たとした上で、ゼレンスキー大統領からプーチン氏に連絡を取るよう要請があったと語った。

侵攻開始直後にモスクワで会談した際、プーチン氏は2つの譲歩を示したと説明。「彼は非ナチ化を断念した」と述べ、「ゼレンスキー氏を殺害するつもりかと尋ねたら、彼は”私はゼレンスキーを殺すつもりはない”」と回答したと明かした。約束と受け取って良いかと念を押すと、プーチン氏は「ゼレンスキーを殺すつもりはない」と繰り返したという。

クレムリンから空港に向かう車中で、ゼレンスキー氏にメッセンジャーアプリで「会談からでてきたところだが、彼は君を殺害しないつもりだ」と告げると、ゼレンスキー氏は「たしかか?」と尋ねたといい、これに「100%だ」と回答したと振り返った。

もう一つの譲歩について「彼は、ウクライナの武装解除を断念した」と語った。

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一方、ウクライナも大きな譲歩をしたと話し、「ゼレンスキー氏はNATO加盟を断念した。彼は、”私はそれを放棄する”と言った」と述べた。

ベネット氏のこの話にウクライナのクレバ外相が反応した。

クレバ氏はツイッターで、プーチン氏はこれまでに「クリミアを占領せず、ミンスク合意に違反せず、ウクライナを侵略しないと約束したが、このすべてを実行した」と反論。「騙されてはならない。彼は嘘のエキスパートだ。何かをしないと約束する時は決まって、それは計画の一部になってきたのだ」と非難した。

先週は、イギリスのジョンソン元首相が、侵攻開始直前に行ったプーチン氏との電話会談の中で、殺害予告めいた発言を受けたと明かし話題になった。ロシア側は、ジョンソン氏の主張は虚偽だと反論している。