ここのところメディアで頻繁に取り沙汰されるトランプ大統領(79)の健康不安説に、姪のメアリー・トランプが切り込んだ。
メアリーは臨床心理士である傍ら、ポッドキャストやメディアへの出演を通じて叔父に対する辛辣な批判を展開している。2020年に発売した暴露本『Too Much and Never Enough: How My Family Created the World’s Most Dangerous Man』はベストセラーとなり、邦訳もされている。
そんな彼女がポッドキャスト番組『Court of History』で語ったところによれば、最近のトランプには晩年の祖父と重なる部分があるという。
トランプの父フレッド・トランプは晩年認知症を患い、「自分にとって重要ではない人」から順に忘れはじめ、ついには60年連れ添った妻のことさえ分からなくなった。さらに「財産をすべて失った」という妄想にとらわれ、介護してくれる妻を「小切手を盗んだ」と責め立てることもあった。
メアリーは叔父の健康面について、「非常に深刻な精神疾患を患っているにもかかわらず、それが診断も治療もされずに放置された結果、症状が悪化している」と指摘。「身体的な問題も存在している」とした上で、「単なる物忘れだけでなく、空間や場所の感覚を失っているようにみえることがある」と語った。
さらに「祖父と共通する部分がある。時々みせる混乱だ」と述べ、「目の前にいる人さえも忘れてしまっている。それは祖父に見た興味深い体験でもある」と加えた。
トランプは先月のヨーロッパ指導者らとの会合で、目の前に座っていたフィンランドのスタブ大統領を認識していないように見える場面があり話題になったばかりだ。
メアリーはまた、親戚とともに祖父の記念日をレストランで祝った思い出に言及。「車のライトに照らされた鹿のようだった。”ここはどこだ?この人たちは誰だ?こんなとこにいたくない”」とその時の様子を振り返り、「時々、ドナルドの目にそうした感情が見える」と語った。
もっとも、トランプの場合はややこしく、「もともと妄想癖があり、復讐心が強くて怒りやすいから見分けるのが難しい」とも言う。
「人々には精神疾患なのか、それとも認知症の一種か。アルツハイマー病かといった疑問が湧いてくるのだと思う。あるいは、記憶力などに影響を与える身体的な病気なのか。われわれは真相を知り得ないし、おそらく今後も知ることはできないだろう」。
そう断ったうえで、メアリーは「もはやどうでもいい段階に達しているのではないか。状況が非常に悪化していることはみんなが分かっているのだから」と主張。「状況は悪化するだけだろう。彼のひどい残酷さ、無能さ、復讐心など、どれをとってもそうだ」と加えた。