ジャック・ドーシーCEO ツイッターに「いいね」は要らない?

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バンクーバーのTEDカンファレンスに出演したツイッター社のジャック・ドーシー最高経営責任者は、アビューズツイートやハラスメントなどの問題に関し、現在の取り組みを語った。

ドーシー氏は冒頭、最も心配していることを「会話の健全性」だと述べ、誹謗中傷などのアビューズやハラスメント、不正操作、オートメーション、デマなど、サービス開始当初は予期しなかった作用が大規模になっていると語った。

女性、特に黒人女性のユーザーがより多くのハラスメントを受けていることについて聞かれると、プラットフォームが提供するハラスメントの誘引について深く調査をしていると述べた。また現状のシステムでは簡単にアビューズやハラスメントをすることができると語り、昨年、機械学習とディープラーニングの採用を決定し、被害者の負担を取り除くため、積極的に取り組んでいる、と語った。

ドーシー氏によると、現在、アビューズコンテンツの38%はアルゴリズムで認識できるようになっている。なお、これらのツイートは、取り除く前に人間がレビューを行なっているという。

同社は16日のブログで、アビューズへの対応が向上していることを発表した。記事によると、今年1月から3月の間に停止したアカウントで、新規アカウントの作成を停止したものが、昨年より45%増の10万件となった。また通報後24時間以内に停止した悪質なアカウントは、昨年同時期より3倍に上昇したという。

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ドーシー氏は、テクノロジーの改善に加えて、暴力や暴徒的なふるまい、集団ハラスメントを何が誘発したのかなど、根本的な考察が必要だとし、ネットワークに内在する力学について調査をしていると語った。

いかにユーザーの行動をシフトさせうるのか考えを聞かれると、アカウントフォローのコンセプトについて言及。「ツイッターは興味をベースにしたネットワークだと考えている。(アカウントフォローの)代わりに、興味やトレンド、ハッシュタグ、コミュニティをフォローできるようにすることが可能だ」述べ、「アカウントに対するバイアスからトピックや興味に対するバイアスまで、ネットワーク全体のバイアスを除く、根本的な変更だ」と語った。さらに「もう一度サービスを始めるなら、フォロワーの数をこれほど強調しないし、”いいね”の数も強調しないでしょう」と述べ、「最初から”いいね”をつけることさえ考えなかったでしょう。ネットワークへの健全な貢献という、現在我々が最も重要と考えるものに役立たないから」と語った。