イスラエル ガザの地上侵攻巡り米当局者と密談、第2次世界大戦の日本への攻撃引き合いに

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イスラエル軍は2日、ガザ市の包囲を完了したと発表。市街地への本格的な侵攻の準備を整えている。さらなる民間人の被害の拡大が予想されるなか、ニューヨークタイムズは30日、イスラエルの指導者は「大量の民間人の犠牲者が出るのは許容される」と考えていると伝えた。

同紙によると、イスラエルの当局者は米当局者と密談を行い、この中で、第二次世界大戦中に米国を含む連合国が、日本やドイツを打ち負かすため、市街地に壊滅的な爆弾(広島や長崎の原子爆弾を含む)を投下したことを引き合いに出したという。

著名な活動家で弁護士のスティーブン・ドンジガー(Steven Donziger)氏はこの報道について、イスラエル軍が「なぜ人口密集地であるジャバリア難民キャンプに爆弾を投下したのか」「大規模な民間人と子供たちの死を説明するのに役立つだろう」とSNSでシェアした

イスラエル軍は先日31日から2日間にわたり、北部にある同難民キャンプに空爆を加えた。初日の空爆では、50人以上死亡し、150人以上が負傷したと伝えられた。イスラエル側は、テロ攻撃の首謀者を殺害したと発表したが、ハマス側はこの場所に上級指揮官はいなかったと反論している。

ハマスの急襲後、イスラエル政府情報局が、ガザ地区に住む230万人のパレスチナ人をエジプトに強制退去させる案を策定していたとも伝えられている。米ABCニュースによると、13日に作成された「概念的文書」には、イスラエルの安全保障を確保するための代替案が示されており、ガザの民間人をエジプトのシナイ半島北部に設けたテントに移住させ、都市の建設や恒久的人道回路を設ける計画が記されていたという。

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なお、タイムズは米当局者の話として、イスラエルの指導者はガザ地区に侵攻し、一部または全地域を占領した後の「最終目標」を持ち合わせていない可能性があるとも伝えている。