トランプ大統領の最新スピーチ映像をめぐり、一部でAI生成疑惑が浮上している。
映像は10日、保守派活動家チャーリー・カーク氏の暗殺事件を受け、急きょ収録されたもの。約4分の演説でトランプはカーク氏を「自由の殉教者」とたたえ、極左のレトリックが「国内テロの原因だ」と非難。「政治暴力に関与した者を一人残らず追及する」と宣言した。
注目を集めたのは開始から20秒。机に置いた左手を動かす際に、小指が一瞬消えたように見える。
SNSでは
- 「小指が消えた!」
- 「AIアバターが喋っているみたいだ」
- 「トランプの医療問題を隠蔽するためだ」
など憶測が噴出。事件当時カーク氏がはめていた指輪が薬指から小指に移動したなど、真相不明な銃撃事件との関連まで語る声も出た。
一方で「映像がぼやけただけ」「編集のつなぎミスだろう」と冷静な指摘もある。
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NBCニュースは専門家やディープフェイク検証企業に取材。教授らは当初「不自然だ」としつつも、最終的には「人工的に生成された証拠はない」と結論づけた。「複数の映像をつなぎ合わせた可能性はある」とも指摘している。
映像編集技術に詳しいTikTokユーザーは、これは映画業界で使われてきた「モーフカット」によるものだと解説。「2つのクリップを繋げる際にソフトウエアがギャップを埋めるために新たなフレームを生成する」技術で、もともとはルーカスフィルムによって開発されたのだという。スピーチの場面では「えーと」などの不要な言葉をカットし、前後を自然につなぐ際によく用いられるとしている。
NBCがホワイトハウスに尋ねたところ、報道官は「AIは使用されていない」と断言。「根拠のない陰謀論を広めるのは恥ずべき行為だ。
NBCはこのような浮かれ騒ぎに時間を割くべきではない」と批判されてしまったという。