米下院 国家非常事態宣言の終了決議を可決

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米議会下院は26日、トランプ大統領のメキシコ国境の壁建設を目的とした国家非常事態宣言を終了させる決議案を245-182で可決した。

今後、決議案は上院に送られ、18日以内に採決が行われる。共和党が多数派の上院で過半数を獲得できるかは不明。ホワイトハウスは反対を表明しており、両院を通過した場合でも大統領拒否権を行使するとみられる。大統領の国家非常事態宣言を覆すために、議会で採決が行われたのは初めてだという。

下院では現在、民主党が235議席、共和党が197議席を有する。採決では、13名の共和党議員が賛成を投じた。

民主党は、予算の使途を決定する権限は議会にあるとし、国家非常事態宣言は権力の分立に対する違反であると主張。憲法の基本原則で、超党派の支持を訴えている。

投票に先立ち、決議案を作成したホアキン・カストロ(Joaquin Castro)議員は「おそらく同時代において、大統領と議会の間の権力のバランスに関して議会が行う最も重要な採決だ」と語った。

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上院の共和党議員では、スーザン・コリンズ(Susan Collins)議員 (メイン州)、トム・ティリス(Thom Tillis)議員が賛成票を投じる意向を示しているほか、リーサ・マーカウスキー(Lisa Murkowski)議員 (アラスカ州) も賛成の可能性を示唆している。上院通過の可能性は残るが、両院ともに、大統領拒否権を覆す3分の2の票を獲得できる見通しは低く、決議案の実現は難しい。

一方、法廷を通じた争いが注目される。カリフォルニア州やニューヨーク州など16州は、トランプ大統領の国家非常事態宣言が憲法違反として、今月18日に政府を提訴している。