「脅威は別次元」FBI長官、ローンオフェンダーによるテロに警告

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ユダヤ教の祭日「ハヌカ」を直前に控え、米国では単独犯によるテロ攻撃に対する警戒感が高まっている。

CBSニュースによると、司法省と国土安全保障省は、市や州、連邦政府の法執行機関に対し、ホリデーシーズン中にアルカイダやISISなどが「ハマス・イスラエル紛争を利用し、米国での暴力行為を呼びかける可能性が前年よりも高まっている」と通告した。

同局が入手したインテリジェンスレポートでは、「主要な標的」となる可能性が高い場所や団体として、教会やシナゴーグ、ユダヤ人コミュニティが挙げられていた。

FBIのクリストファー・レイ長官は5日、上院司法委員会が開いた公聴会で10月7日のハマスの攻撃以来、脅威は「全く別次元のレベル」になったと証言。「至る場所で(レッド)ライトが点滅している」と述べ、自身のキャリアの中で「これほど多くの脅威が全て同時に高まっている時代を目にしたことがない」と警戒感を示した。

レイ氏は、最大の懸念はハマス・イスラエル紛争に「インスパイアされたローンオフェンダー」だと指摘。特にユダヤ人やイスラム教徒、アラブ系アメリカ人に対する脅威が最も高いと述べた。これらの人々や組織、施設や礼拝堂に対する脅迫も増加しており、迅速に対策を講じると説明した。

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ラスベガスでは先月28日、ISISを支持する16歳の少年が脅迫などの容疑で逮捕された。少年はSNSに「アッラーの敵に対抗するため、ラスベガスでローンウルフ作戦を開始する」などと投稿していた。

FBIが家宅捜索を行ったところ、爆発物の設計書と部品のほか、ISISやアルカイーダの手製の旗、テロ攻撃を遂行するためのガイダンスなどが発見された。少年はテロ行為の脅迫や爆発物の所持など5件の重罪で起訴された。

レイ氏はハマスが米国内で作戦を実行する計画などの兆候は「何もない」と証言しつつも、可能性がないとはいえないと語っている。