フェイスブック 白人ナショナリズムと分離主義の投稿を禁止

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フェイスブックは27日、白人ナショナリズムと分離主義を賞賛、支持や表明をするコンテンツの投稿を禁止することを発表した。

これまでの方針では、白人至上主義を含む、人種や民族、地域をもとにした憎悪を助長するコンテンツを禁止してきた。しかし、白人ナショナリズムや分離主義は、「アメリカンプライド」や「バスク分離主義」など、人々のアイデンティティに関わる重要な部分として、同様の解釈を適用してこなかったという。

同社は、過去3ヶ月間、市民団体や研究者らと対話を行なったといい、その結果、白人ナショナリズムと分離主義は、白人至上主義とヘイトグループから意義の上で切り離すことができないことが明らかになった、と理由を述べた。

方針変更は、ニュージーランドで起きた、モスクを狙った白人至上主義者による銃乱射事件から10日後に発表された。事件では、犯人は銃撃の様子を撮影し、フェイスブックを通じて約17分間にわたってライブ配信した。動画は配信直後からコピーされ、様々なバージョンがインターネットを通じて世界中に拡散された。コンテンツの拡散を止められなかったプラットフォーム企業に対し、国内外から規制を求める声が高まっている。

コンテンツをブロックする方法については、マシンラーニングと人工知能により、テログループの素材を見つけ出す能力が向上していることなど、システムの改善面を強調したが、「進歩をしているが、やるべきことはたくさんある」と述べるなど、具体的方法については言及を避けた。

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名誉毀損防止同盟(Anti-Defamation League 略称:ADL)で、過激主義の動向を調査するMark Pitcavageがニューヨークタイムズに語ったところによると、白人至上主義者らは、1960年代の公民権運動後から、白人ナショナリズムという用語を使用するようになったという。

白人ナショナリズムは、常に白人至上主義の婉曲表現として使用されてきており、2つの用語は「全く同様に過激」であるという。同氏は「白さは民族ではなく、肌の色だ」と述べ、「白人ナショナリズムは、白人至上主義の単なる一形態で、ヘイトを中心としたイデオロギー」と語っている。