NZ銃乱射事件 プラットフォーム企業に高まる規制の声

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ニュージーランドのクライストチャーチにある2箇所のモスクで起きた銃乱射事件で、17日時点で死亡者が50人に達したことが明らかとなった。

犯行前、容疑者は、掲示板サイトやSNSに声明文のリンクを投稿するなど、拡散を試みていた。さらに犯行の様子を頭部に装着したGoProカメラを使用し、約17分間にわたってフェイスブックでライブ配信を行なった。配信直後から、動画はコピーされ、様々なバージョンがインターネットを通じて世界中に拡散した。

事件後、フェイスブックは150万本のビデオを事件発生から24時間以内に削除したことを発表した。このうち120万本はアップロードされる前にブロックされたという。残りの30万本の視聴規模については、明らかにしていない。

The Hillによると、ユーチューブは18日、事件発生以降、数万件の動画を削除し、襲撃犯をプロモートし、称賛した数百件のアカウントを停止したことを発表した。また「関連するビデオが、事件後24時間以内にアップロードされた量は、スケールとスピードにおいて前例のないものだった」と述べた。

Facebookは、襲撃のライブ配信がはじめってまもなく、ニュージーランドの警察から警告を受け、犯人のフェイスブックとインスタグラムアカウントおよびビデオを速やかに削除したと発表している。しかし、事件の数時間後も、大量のコピーがフェイスブック、ユーチューブ、ツイッターに出回っていたという。

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ヘイトや暴力犯罪などのコンテンツの拡散を阻止することができなかったプラットフォームに対し、世界中から責任を追及する声が相次いでいる。

サジド・ジャヴィド英内相はツイッターで、「暴力的な過激思想がプラットフォームを通じて促進されることを阻止するために、ユーチューブ、グーグル、フェイスブック、ツイッターはもっとやらなければならない。」と、プラットフォームの対応を不十分とし、「非をみとめなさい。もうたくさんだ」と述べた。

さらに、ジャヴィド内相は16日、Expressの寄稿で、「オンラインプラットフォームは、彼らのためにテロリストの活動を行わない責任がある。」とソーシャルメディアの責任について述べた。「殺戮をするテロリストを賞賛すること、または過激思想を拡散することは、さらなる先鋭化と殺人に導くのみである。この種の違法行為について、オンラインの害に関する白書で言及する」と、プラットフォーム側の違法性について明確化する意向述べた。さらに「プラットフォームを掃除しない企業は、法の力に直面する準備が必要だ」と、規制の可能性を示唆した。

米国では、リチャード・ブルーメンソール上院議員(民主党)が「フェイスブックとその他のプラットフォームは、恐怖やテロ、ヘイトを止められなかったことに対し、議会公聴会で即時説明責任を果たすべきだ。ショッキングなビデオとヘイトのメッセージを阻止することへの明らかな失敗について答えなければならない」と議会での証言を求めた。

エイミー・クロブシャー上院議員(民主党)は、日曜のNBC報道班組「Meet The Press」のインタビューで、プラットフォームに対してメディアと同様の規制が必要であると回答。「公に対する責任」があるとし、「センシティブな規制をかける時である」と語った。

コーリー・ブッカー上院議員(民主党)は事件の同日、「ハイテク企業も道徳的に正しいことをする責任がある」と語り、「君らがヘイトにプラットフォームを与えた。許しがたく、決して起きてはならないことだ。」と、プラットフォーム側の責任について述べた。もっと速やかに取り下げるための「メカニズム」がなくてはならないとし、プラットフォーム企業による追加対策の必要性を語った。