フェイスブックが独自の仮想通貨発行へ

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フェイスブックは、独自の仮想通貨を来年に発行する計画を進めている。BBCが報じた。

通貨は内部で「グローバルコイン」と呼ばれており、年内には試験を開始。来年の第一四半期に10数ヶ国で発行する計画だという。

FB社の仮想通貨については、メッセージアプリのWhatsApp(ワッツアップ)で送金ができるよう、開発を進めていることをブルームバーグが昨年12月に報じていた。記事によると、FB社は、ビットコインと異なり、基軸通貨やその他の資産を担保とすることで安定性を保つステーブルコインの開発を進めており、まずはインドからスタートすることを検討していた。インドでWhatsAppは人気が高く、ユーザー数は2億人に上る。またインドは最大の国際送金市場で、2017年のインドへの国際送金額は690億ドルに達している。

FB社は、2014年に元ペイパル代表のデイビッド・マーカス氏を引き抜き、昨年には、同氏をブロックチェーン事業のトップに任命していた。

BBCによると、FB社はすでにイングランド銀行のマーク・カーニー総裁と話をしており、今年の夏には計画の詳細を発表することが期待される。また米財務省に運営や規制に関するアドバイスを求めているほか、銀行口座を持たない人々に対する廉価で早い送金サービスの実現に向け、ウエスタン・ユニオンなどの国際送金サービス企業と話をしているという。

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FB社のサービス実現には、議会の説得も重要となる。

同社は、2016年大統領におけるケンブリッジアナリティカへの膨大なユーザーデータ漏洩をはじめ、データの保護や活用を巡り各国で調査を受けるなど、批判にさらされている。今月9日、米上院銀行・住宅・都市委員会はザッカー・バーグ氏に書簡で、仮想通貨サービスについて、金融規制当局への働きかけや金融情報の活用、公正信用取引法への遵守などについて、回答を要求している。