富豪ジョン・マカフィー、金を払って死を偽装?元恋人が衝撃告白

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脱税の罪などで起訴され、スペインで拘束中に死亡したセキュリティソフトの開発者でマカフィー・アソシエイツの創設者、ジョン・マカフィーに生存説が飛び出した。

マカフィー氏は2020年10月、米政府から脱税の罪で起訴され、潜伏先のスペインで拘束されたが、その翌年の6月、米国への身柄引き渡しが決まる直前に、バルセロナの拘置所内で死亡した。首を吊って自殺したと伝えられている。

ところが、先週からネットフリックスで配信が始まったドキュメンタリー「Running With the Devil: The Wild World of John McAfee(邦題:悪魔のハイウェイ:ジョン・マカフィーの数奇なる人生」で、インタビューに応じたマカフィー氏の元恋人、サマンサ・ヘラーラさんが、死後、本人から連絡を受けたと衝撃の告白をした。

ヘラーラさんによると、電話があったのは死亡報道から2週間後のこと。マカフィー氏はテキサスにいると話し、金を払って死を偽装したと告白したという。さらに生存を知っているのは3人しかおらず、一緒に逃げようと持ちかけたという。

マカフィー氏は、移住先のベリーズで当時18歳だったヘラーラさんと出会い、結婚の約束もしていた。2012年に隣人の死亡をめぐって参考人とされると、ヘラーラさんとともにグアテマラに逃亡。そこで、元司法長官だったヘラーラさんの叔父を頼って政治亡命を計画した。マカフィー氏は、ベリーズ政府の汚職や世界中の大臣の情報をつかんでおり、そのことからベリーズ政府やカルテルから命を狙われていると主張していた。

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亡命は失敗に終わり、マカフィー氏は現地で拘束され、米国に送還されることになる。グアテマラを離れる際、ヘラーラさんと一方的に別れ、2013年にマイアミの元娼婦、ジャニス・ダイソンさんと結婚した。2016年には大統領選にリバタリアン党から大統領選に出馬するなど、世間を騒がせたが、その後も命の危険があるとして、ヨットで逃亡生活を送り、最終的にヨーロッパに渡った。

生存説の信憑性は?

マカフィー氏が今も生きているというヘラーラさんの証言について、「Running With the Devil」で監督を務めたチャーリー・ラッセル氏はニューヨークポスト紙の取材に、困惑していると話した。「彼女の言動の信憑性について、判断がつかない。話をして、カメラを見つめて、そんな彼女自身は自分の証言を事実と信じて話しているのか、そうじゃないのか、僕には分からない。彼女はマカフィーに怒りを抱いている人物だ」と真偽を確信できないまま撮影を終えたことを明かした。

ラッセル監督はまた「マカフィーはヘラーラさんに生涯ともに生きようと約束したのだし、2人は年齢差は大きくても、心底愛し合っていたのだと思う」と述べつつ、「マカフィーは彼女に全く違った未来を見せてやった挙げ句、文字どおり国境に彼女を捨てた。彼女にとっては非常に苦しかったと思うし、立ち直るのに何年もかかったと思う」とヘラーラさんの気持ちを推しはかった。

ちなみにマカフィー氏は生前、自殺する可能性を繰り返し否定していた。逃亡中だった2019年、米司法当局の捜査が及んでいることをほのめかしつつ「もし私が自殺をしたのならば、私ではない」とツイート。逮捕後の2020年10月15日の投稿では、「ここに満足している。友達もいる」とした上で、「私がエプスタインのように首を吊ったとしても、私のせいではないことを知っておいてほしい」とコメントしていた。