世界的ストリート・アーティストのエドゥアルド・コブラ氏(Eduardo Kobra)は、昨年製作したマイケル・ジャクソンの壁画について「残すことを決意した」と、Time Out New York誌に語った。

故マイケル・ジャクソンについては、同氏による幼児性的虐待疑惑を告発するHBOドキュメンタリー「リービング・ネバーランド」(Leaving Neverland)が今月放送され、大きな反響を呼んだ。放送後、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)が、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)をモチーフにした2019年秋メンズウェアコレクションの製造中止を発表している。

作品を残す理由についてコブラ氏は、作品がマイケル・ジャクソンへの単純なトリビュートであること、アメリカの歴史の一部であることの2点を挙げた。

ジャクソン5時代と後期の姿を同時に描いた壁画について、コブラ氏は、作品の全体に通じるアイデアは、マイケル・ジャクソンの人生を通じた変化を提示することだと語った。作品を通じて「人は時に、自分の平安に到達するために、たくさんのことを経験しなければならないことを描こうとした」と述べ、「時に何をしても、人は平安に決して到達できない」と語った。

さらに同氏は、「マイケル・ジャクソンの前後で音楽を分けることができる」とマイケル・ジャクソンの歴史や音楽史における影響の大きさについて語り、「彼のようなポップスターが出現することは決してないだろう」と、不世出のアーティスを歴史から消し去ることはできないと理由を述べた。

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性的虐待疑惑については、「これらの新たな疑惑は本当かもしれないし、間違っているかもしれない。……彼が死んでしまった今、彼は司法で裁かれることはない」と述べつつ、「マイケル・ジャクソンの人生の新たな事実に対し、人として、コミュニティーとしてどのように取り組むのか、壁画がそのパートを果たし、我々に考えさせることを望んでいる」と、新たなコンテクストの中で、壁画が果たしうる役割について語った。

パブリックアート マイケルジャクソン 壁画 ニューヨーク
Young and Old Michael Jackson ©mashup NY

マイケル・ジャクソンの壁画「Young and Old Michael Jackson」は、イーストビレッジエリアの11stストリートと1stアベニューの交差地点付近で鑑賞することができる。
180 1st Avenue, New York, NY 10009

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