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また“優勝”──トランプのゴルフ自慢が止まらない。

今月6日、本人のSNS「Truth Social」に投稿されたのは、パットを沈める動画とともに、「36のクラブ選手権だ!」というコメント。まるで36回も栄冠を手にしたかのようなアピールだ。だがそのわずか2日後、今度はニュージャージーの自前のゴルフ場で開催された「シニアクラブ選手権」と「スーパーシニア選手権」の両方に“優勝”したと発表。トロフィーを両手に掲げながら、「でも私の心はアメリカのためだけにある」とキメ台詞を添えた。

実は先月末、スコットランドでのプレーでも「イカサマ疑惑」が噴出したばかり。今回の発表にもSNSは即座に反応。「また盛ってるんじゃないの?」と疑いの声が相次いだ。

そんな中、トランプのゴルフ歴を著書『Commander in Cheat(イカサマ司令官)』で暴いたスポーツライター、リック・ライリーが再登場。今回の「36回優勝」宣言について、「前回は“24回”だったはずだろ」とバッサリ。「実際のチャンピオンシップ優勝ゼロ」と断言している。

同書によれば、トランプが“勝った”とするのはすべて自分のゴルフ場での話。しかも、新しいゴルフ場がオープンするたび、自ら最初にプレーしてそれを「クラブ選手権」と称し、ちゃっかり自分を優勝者にする────そんなマイルール方式が横行しているという。

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だが、それすらも怪しい。たとえば、フロリダのゴルフクラブの優勝者ネームプレートにはトランプの名前が3つ並ぶが、そのうち1つは、そもそもその年にコースがオープンしていなかった。ホワイトハウス側は「ソフトオープンで開催した」と釈明したというが、なんとも苦しい。

さらに驚きの証言も。ライリーのゴルフ仲間や関係者によれば、「あいつにはいつも勝ってるから」と言い張って、実際に参加すらしていない大会でも自分の名前を優勝欄に“追加”させた例があるとか。オーナーの“鶴の一声”に、従業員が逆らえるとは考えにくい。

またライリーは、シニア選手権と「男子クラブ選手権」とを同列に語ってはならないと指摘している。「チャンピオンシップ優勝ゼロ」の主張の裏には、トランプが“本戦”で勝った実績がないという皮肉が込められているのだろう。

一方で、ニュージャージーの大会で撮影された動画もSNS上に出回っている。そこには、トランプのキャディがグリーン上でボールをポイと放り、トランプがそれを軽くパターでつつく──という謎の場面が映っていた。

ネットで「問題なし」とする擁護派と、「ルール違反」と断じる批判派が激突するなか、これについてもライリーが専門家目線で終止符を打った。

「キャディがボールをドロップするのは絶対に違反」と一刀両断。「ドロップできるのは本人だけ。しかもグリーン上では絶対にしてはいけない。それに、今回のようなフルスコアイベントでは、ボールを引きずってホールに入れるのもルール違反。絶対にダメ」と断言した。

自称「ゴルフ王者」の足元で、繰り返される疑惑の嵐。

ネット上では「ゴルフは人間性を映す鏡」「家庭が食料品も買えない時に、トロフィーを掲げて自慢って…」と皮肉たっぷりのコメントも飛び交っている。