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セクハラのクオモNY州知事 女性SPが受けた「キモい」行為

ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は3日に発表した報告書で、クオモ知事は様々な状況で、部下など11人の女性に対して連邦法と州法に反するセクハラ行為を行なったと結論づけた

クオモ氏は同日、会見を開き、報告書は事実と異なり、不適切に触れたことはないと反論したが、有力議員やバイデン大統領が辞職をするべきとの考えを明らかにするなど、責任を求める声が高まっている。さらにマンハッタンとウェストチェスター検事局が、ジェームズ司法長官に調査資料を要求したことから、刑事事件に発展する可能性もささやかれている。

これまで複数の女性が被害を公に訴え出たが、報告書では初めて、知事の警護を担当する女性の州警察官に対しても、セクハラ行為があったことが明らかになった。

思わせぶりな、気持ちの悪い言動

州警察官のAさん(報告書では、Trooper#1)が任務でクオモ知事に初めて会ったのは、2017年11月。この時、数分間の会話を交わしたという。この後、Aさんを知事の警護部隊(PSU)に配属する話が持ち上がり、2018年1月からPSUで働くことになった。
PSUで働くには3年以上の経験が条件とされていたが、Aさんはこれを満たしていなかった。しかし配属前に、Aさんは上司から、今回のために特別に規定が2年間に変更されたと伝えられたという。

Aさんは最初、ウェストチェスター郡のマウントキスコにある知事の官邸で任務につき、2019年4月からはトラベルチームに変更になった。任務ではドライバーを務めることもあるという。

報告書には、Aさんが捜査官に対して語った、PSUで知事から受けた「思わせぶり」な「気持ちの悪い」行為が示されている。

最初に不適切だと感じたのは2018年9月。週末にオールバニに出かけることをクオモ氏に告げた際、クオモ氏は、オールバニにある知事官邸を案内しようと話したという。この時、「規定に反してなければ」とクスクスと笑ったといい、Aさんは話し方が「思わせぶり」で「不快」だと感じたいう。

2019年8月、クオモ氏は運転中のAさんに対して「なぜドレスを着ないのか?」と質問し、Aさんは、銃を携帯するためだと答えた。クオモ氏はさらに、なぜ暗い色の服装をしているのかなどと尋ねたという。Aさんは後に、同乗していた指揮官から、二度と同様の会話をしないよう注意を受けたという。クオモ氏は、別の機会にもAさんの服装を「アーミッシュ」みたいだとイジったことがあった。ジャケットが大きすぎると指摘したといい、Aさんはタイトな服装をするよう暗に示していると思われかねない発言だと思ったという。

クオモ氏はまた別の機会に、Aさんに「どうして結婚したいと思うのか?」と尋ねつつ「たいていは離婚で終わるし、金銭を失う。性欲も減る」などと述べた。「性欲」の言葉を不快に感じたAさんは、結婚の良い面について語り、会話を終わらせたという。

このほかにも、クオモ氏は、恋人同士の年齢差について話をした際、20代後半のAさんに対して「私にとっては年が上すぎる」と発言。さらに一般人からすると、自分がどれだけ若い女性とつきあっても大丈夫かなどと尋ねたという。Aさんは不快に感じ「おそらく知事の娘さんより年上の女性でしょう」と答え、自分が仲介役をするので、募集条件を教えてくださいと冗談で返したという。これに対して、クオモ氏は条件として「痛みを解決できる人」を探していると語ったという。

Aさんはまた、任務中に知事がイベントの場で自分を探していることに気がつきはじめ、同僚から、知事はAさんに会うとすぐに機嫌が良くなるようだと伝えられることもあったという。

知事の不適切な行為はエスカレートし、身体に触れられることもあった。

ニューヨーク市の事務所でクオモ氏を上階に案内する際、エレベーターの中で、クオモ氏は「ヘイ、ユー」と声をかけて、背後からAさんの首から背筋を指でなぞったという。

また2019年の夏、マウントキスコのクオモ氏の家の前で、必要なものがないか尋ねたところ、クオモ氏は「キスをしてもいいかい」と聞き返した。Aさんは頭の中で「どうやって丁寧に断ろう。断ったら、この任務から外される。私はバッドリストに入れられてしまう」などの考えがよぎったが、どうしていいか分からず、結局「いいですよ」と答えると、クオモ氏は頬にキスし、「そうするつもりはなかった」「規則に反するのでなければ」などと語ったという。

この後、キスを不適切だと感じたAさんは、同僚と友人に相談。次回は気分がすぐれないと言って断ればいいとアドバイスを受けた。2019年10月、イベントの最中に再びキスをしていいかと尋ねたクオモ氏に、アドバイスに従って返答したところ、クオモ氏は「拒否されて不機嫌な様子」でAさんを見つめ、去っていったという。

このほか2019年9月、ロングライランドのベルモントのイベントで、会場を去るクオモ氏のためにAさんがドアを抑えていたところ、クオモ氏が歩きながら、Aさんのお腹(ヘソのあたり)を手のひらでさすったという。レポートによると、Aさんは捜査官に、この時のクオモ氏の行いについて「完全に暴行されたと感じた」と、心境を話している。

なおクオモ氏は司法長官の調べに対し、警官をハグし、クリスマスパーティで頬にキスした可能性があると答える一方、お腹や背筋に触れたことは否定している。

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