CIA史上最大のデータ流出事件 元エンジニアに有罪評決

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CIA史上最大のデータ流出と呼ばれた機密情報の漏洩事件で、ニューヨークの連邦陪審は13日、CIAの元エンジニアだったジョシュア・シュルテ被告(33)に、国防情報の違法な収集、転送などを含む9つの罪で有罪の評決を言い渡した。

事件は、内部告発サイト「ウィキリークス」が「Vault 7」というコードネームで2017年に公開した大量の機密資料に関連するもので、シュルテ被告は情報を提供したとして、同年8月に逮捕、翌年7月に起訴された。2020年に行われた最初の公判は評決不能とされ、先月から再審理が行われていた。

シュルテ氏が盗み出した情報にはCIAのハッキングの能力や計画、ツールに関する資料が含まれ、ニューヨークタイムズによると、この中にはスカイプやWi-Fiネットワーク、PDF資料、ウイルス対策ソフトなど一般的なコンピューターツールを侵害して、スパイ活動に使用する方法を記したものもあった。

ニューヨーク南部地区連邦検事局のダミアン・ウィリアムズ検事は、声明で、事件を「米史上最も厚かましい、有害なスパイ行為」とし、シュルテ被告は「CIAに恨みを抱き、これらのツールを密かに収集、ウィキリークスに提供することで、最も重要なインテリジェンスツールを公にし、敵に知らせた」と非難した。

検察は審理の中で、犯行理由について、職場の不満を真剣に受け止めてもらえなかったことから、機密文書を盗み出したと主張した。

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シュルテ被告は2016年11月にCIAを退職するまで、バージニア州ラングレーにある本部で、コーダーとして、エリートプログラマーとともにハッキングツールの開発に携わった。退職後は、ニューヨークに移動していた。

2017年3月にウィキリークスが機密情報の第一弾を公開した約一週間後、FBIの捜査官らはシュルテ被告が暮らしていたマンハッタンのアパートの家宅捜索を実施。8月に逮捕に至った。

これに加えて、シュルテ被告は、児童ポルノ所持の罪をめぐって公判を控えていることから、罪状言い渡しの日は、確定していない。

捜査の過程で、家にあった電子機器から1万枚を超えるチャイルドポルノ画像やビデオが押収されたという。