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ジュリアン・アサンジ 米国への身柄引き渡しの可能性は?

英国で収監されている内部告発サイト、ウィキリークスの創設者、ジュリアン・アサンジ被告(50)について、英国の高等裁判所が10日、米国への身柄引き渡しは可能との判断を下した。米国での裁判に向け道が開けた形。

アサンジ被告は、国防に関する機密情報を違法に入手、開示して、元陸軍情報分析官チェルシー・マニングと共謀をはかったとして、スパイ法違反など、18の罪で米政府から起訴されている。有罪となれば、最大175年の禁固刑が科される可能性があると伝えられている。

今年1月、英国の下級裁判所は、被告の精神状態が米国の拘留施設の劣悪な環境に耐えられず、自殺を図る恐れがあるとして、米側の身柄引き渡しの要請を退けていた。

ニューヨークタイムズによると、高等裁判所の判事は、米政府が、アサンジ被告を最高警備の施設に拘置しないと約束したことや、有罪とされた場合、必要に応じて精神的治療を提供し、本人の希望があれば、故郷オーストラリアでの服役も可能としたことに満足を示したという。

米司法省の報道官は「判決に満足している」と述べ、それ以上のコメントを差し控えた。一方、アサンジ被告の米国における代理人、バリー・ポラック氏は、英裁判所は、人道の扱いに関して、米側の「漠とした保証」を認めたと述べ、「憂慮すべき」と懸念を示した。

弁護側は上訴する見通しを示している。

タイムズは、これとは別に、アサンジ被告の訴追自体の正当性は判断されていないと指摘。表現、報道の自由を保証する憲法修正第1条に新たな問題を提起しており、身柄引き渡しとなれば、憲法をめぐる法廷闘争が始まるだろうと伝えている。

アサンジ被告は、2019年4月にそれまで籠城していたロンドンのエクアドル大使館から亡命の権利を剥奪されたのち、逮捕された。現在、警備の厳重なロンドンのベルマーシュ刑務所で拘束されている。

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