ブルームバーグ前NY市長 2020年大統領選 民主党予備選に出馬か

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前ニューヨーク市長で富豪のマイケル・ブルームバーグ氏(77)が、2020年大統領選の民主党予備選へ出馬する可能性が再浮上した。

ニューヨークタイムズによると、候補者申請の締め切り時期が早い、少なくとも1つの州で書類を提出する見込みがあると関係筋が語ったほか、アラバマ州の予備選に必要な署名を集めるために、同氏が同州にスタッフを派遣したという。アラバマの予備選は3月3日だが、候補者が正式に選挙に参加するには金曜日が締め切りとなる。

また、ブルームバーグ氏とアドバイザー達は木曜日に、与党上院院内総務を過去に務めたネバダ州のハリー・リード元上院議員や、民主党知事協会議長でロードアイランド州知事のジーナ・レモンド氏など、民主党の著名な政治家らに、電話で出馬を真剣に検討していることを伝えたという。

ブルームバーグ氏のトップアドバイザーのハワード・ウォルフソン氏は、一連のツイートで、ブルームバーグ氏は、現在の民主党の候補者指名争いについて、トランプ氏を倒すために良い状況にないと懸念を募らせていると述べ、同氏が出馬した場合、ニューヨーク市長や起業家、フィランソロピストとしてのユニークな実績が「民主党に新しい選択肢を提供することになるだろう」と語った。

Real Clear Politicsによる各種調査の平均では現在、ジョー・バイデン前副大統領(76)がエリザベス・ウォーレン上院議員(70)を8ポイント近くリード。民主社会主義者を自認するバーニー・サンダース上院議員(78)は3位につけている。

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ブルームバーグ氏出馬の可能性の一報を受け、ウォーレン議員は同氏に対して「労働者達に大きな変化をもたらす政策を探しているなら」と述べつつ、自身の公約の一つである超ミリオネアタックスをアピール。

一方、サンダース陣営のマネージャーのFaiz Shakir氏は「ビリオネアがさらなる政治権力を追求するのは、アメリカが必要とする変化でないことは確かだ」と語った。

経済的不平等や人種間格差に関する議論が大きな注目を浴びる予備選で、ブルームバーグ氏が十分な支持を獲得できるかは不明。また警察が不審者を呼び止めて服の上から武器の所持などチェックを行う「ストップ・アンド・フリスク」やチャータースクールの支持といった市長時代の経歴が、民主党の支持基盤を遠ざける可能性があると、タイムズは指摘している。

ブルームバーグ氏はこれまでに、2008年と2012年、2016年の3回、独立した第3党から大統領選への出馬を検討している。2016年大統領選では、事前調査の結果、勝利するのは難しいと結論付け、出馬を取りやめた。

昨年11月の中間選挙で、民主党員に登録したことから、一部メディアが2020年大統領選に民主党から出馬する予定だと報じるなど、出馬への期待が高まっていたが、今年3月、ニュースサイトブルームバーグに寄せた論説で出馬しない意向を明らかにした。この際、ブルームバーグ氏は予備選での勝利が困難であることを理由に挙げつつ、「ドナルド・トランプに勝利する最も強いポジションにいる民主党員を擁立すること」が肝心だと語り、予備選で党を極端な方向へ導くことは、総選挙での勝利を逃し、トランプ大統領の再当選につながる、と民主党候補者が急進的な傾向にあることに懸念を示していた。