マイクロソフトの共同創業者で、現在フィランソロピストとして活動するビル・ゲイツ氏が、農地を大量に取得する理由について語った。

さまざまな陰謀論の標的となってきたゲイツ氏だが、最近は全米の農地の80%を所有しており、すべての農地を買い取ろうとしているとの主張が拡散されていた。ゲイツ氏の農地買い占め説は、食糧危機にまつわる陰謀論の一つで、このほかに米国では、ウクライナ戦争をきっかけに食糧安全保障に関心が高まった昨年、食料工場で「異常な数」の火災が発生しているといった、事実に反する陰謀めいた噂が広がるなどしていた。

先週、掲示板サイト「レディット」で11回目となる質疑応答「Ask Me Anything.(なんでも聞いて)」を開催したゲイツ氏は、「なぜ大量に農地を買い占めるのか、億万長者がいかに不均衡に買い占めができるかという、富の問題だと思わないか?」と質問を受けると、「私が所有しているのは、米国の農地の4000分の1以下だ」と説明。「生産性を高め、雇用を創出するために投資をしてきた」と理由を語った。一方で「壮大な計画があるわけではないが、実際のところ、これらの判断は、プロの投資チームによってなされたものだ」と加えた。

2021年の「ランドレポート」の報道によると、ゲイツ氏は全米18州に、合わせて242,000エーカーの農地を所有していた。民間人の農地所有者としては最大とされるが、同年の農務省の報告によると、米国の全土の農地は895,300,000エーカーで、ゲイツ氏の所有地はこの0.03%にも満たない。

このほか、ゲイツ氏は、富の集中の問題をめぐる質問について、「税金が引き上げられないことに驚いている」と述べ、キャピタルゲイン課税を通常の所得税率と同等にするなどの措置をとるべきとの考えを示した。

インターネットがもたらしたような、テクノロジーによる革命的なシフトが現在起きているかとの質問に、「AIは大きい。Web3がそれほど大きいと思わないし、メタバース的なものも、それだけでは革命的だったとも思わない。でもAIはかなり革命的だ」と答えた。

AIに関しては、生成系AIの発展速度に感心しており「巨大なインパクトを及ぼすだろう」としたほか、ChatGPTには「これから起きることが垣間見られる」と関心の高さを示した。

財団の活動が、健康やワクチンに集中しているのはなぜかと聞かれると、「1000ドル以下で救えたはずの子供たちが死んでいくのを目の当たりにした時、これが寄付の最優先事項でなければならないと悟った」と回答。「年間100万人の子供の命を奪うマラリアのような病気に対処するための資金を提供するところはほとんどない」と続け、「進歩はあったが、それでもまだ40万人だ。これをゼロにすることにコミットしている」と語った。