英国王室に関わる新たな主張が浮上した。獄中で死亡した性犯罪者ジェフリー・エプスタインが、チャールズ英国王の弟で、10月に称号を剥奪されたアンドリューと、その元妻サラ・ファーガソンを「排除しようとしていた」とする証言があると、英国の歴史家アンドルー・ルーニー氏がサブスタックへの投稿で明らかにした。
ルーニー氏によると、これはエプスタインに深く関係する人物から得た情報だとされ、エプスタインは死の数週間前から殺害願望を抱き、二人を排除する計画を立てていたという。「悪名高いスナイパー」と呼ばれる人物と交渉さえ試みていたとされる。
エプスタインは、あまりにも多くを知りすぎた二人が自身の性犯罪ネットワークを公にすることを恐れる一方で、自分が王室から“消される”との妄想にも取り憑かれていたとされる。情報筋は「もしジェフリーが死んでいなければ、アンドリューとファーギーは殺害されていただろう」と語ったという。
ルーニー氏は17日配信のデイリービーストのポッドキャスト番組でもこの件に触れ、エプスタインが接触したとされるスナイパーは「イギリス特殊部隊」で訓練を受けた人物だと説明した。誤情報の可能性も認めつつ、複数の情報筋が同様の話を語っていると述べた。
番組ではさらに、エプスタインの他殺説にも言及。元FBI関係者から死亡捜査に関する内部メールの一部を入手したとして、その中には、当時捜査当局者が「エプスタインは同房者に殺害された」と認識していたことを示すやりとりが含まれていたと明かした。
2019年7月に拘束されたエプスタインは、翌8月10日にニューヨークの矯正施設内で意識不明の状態で発見され、病院で死亡が確認された。ニューヨーク市検視局は6日後に首吊り自殺と断定したが、監視カメラが作動していなかったことや、看守2人が居眠りをしていたことなど不可解な点が続出し、他殺説は根強く残っている。また、遺族の依頼を受けて独自検査を行った元監察医マイケル・バーデン氏も、自殺説に疑問を呈し、絞殺の可能性を示唆している。見回りを怠った看守2人は業務改ざんなどの罪で起訴されたが、司法取引により実刑を免れた。
エプスタイン事件をめぐっては、米議会とトランプ政権による関連資料の公開問題、大物政治家・財界人との関係を示唆する新文書の流出、さらに告発者の故バージニア・ロバーツ・ジュフレ氏の回想録出版などを背景に、真相解明を求める動きが一段と強まっている。ジュフレ氏が生前、性的虐待で提訴したアンドリューへの疑惑も再燃し、10月には称号剥奪に至った。
