「イカサマ疑惑」が再燃:トランプ大統領、スコットランドでゴルフとEU会談

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L.E.MORMILE / Shutterstock.com

5日間の予定でスコットランドを「実務訪問」名目で訪れたトランプ大統領、さっそく自慢のターンベリーでゴルフに興じる姿が報じられた。

世界に16のゴルフ場を持つトランプは、筋金入りのゴルフ愛好家として知られる一方で、“ズル”の常習者としても悪名高い。

そして今回も、疑惑のスイングは健在のようだ。

ネットの注目を集めたのは、トランプがバンカー付近でカートから降りようとする場面を捉えた動画。トランプに批判的なXアカウント『@RpsAgainstTrump』が「気づいた?」という意味深なコメントとともに投稿すると、ユーザーたちの皮肉が炸裂した。

  • 「トランプのキャディがボールを“落とした”。捜査だ!」
  • 「笑。彼にはボール係がいて、どこにでもボールを落とせるってこと?。これに何百万ドルも税金が使われてるなんて、泣けてくる」
  • 「ズルだ。彼のボールはバンカーの中だろう。これが彼が自分のコースで数々の優勝を勝ち取ってきたやり方だ。ゴルフでズルをする奴は、人生でもズルをする」

中には、「トランプはゴルフでも不正、妻にも不誠実、2020年の大統領選でもイカサマ──次は何をやらかすのか」と、過去の行いをなぞるような投稿も見られた。

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一方で、「カジュアルなラウンドなんだから、バンカーに入らないようにボールを落とすくらい良い。左派はなんでも批判したがる」と擁護の声も一部にある。

ただし、プレー後にカップからボールを拾わず、そのまま去る姿には、マナー違反だと指摘する声が別途上がっている。

なお、スポーツ・イラストレイテッド誌などで活躍するジャーナリスト、リック・ライリーは2019年の著書『Commander in Cheat(イカサマ司令官)』で、トランプの“ズル伝説”を克明に描いている。

  • 「君が気を散らせた」、「打つ直前に鳥が飛んできた」、「足が滑った」などといちゃもんをつけてペナルティーなしで打ち直す。
  • 8フィートでもギミー(通常2~3フィート)を宣言して、ボールを拾ってしまう。相手がそれをやろうとすると、「君は打った方が良い」と警告する。
  • ゴルフ史上前代未聞の「ギミー・チップイン」(チップショットを打たずに入ったものとみなす)を目撃したことも。
  • 頻繁にボールを蹴ってフェアウェイに戻すことから、キャディーたちの間で「ペレ」のあだ名で呼ばれている。等々。

ライリーはこうしたインチキプレーの数々に加えて、優勝記録のカラクリやハンディキャップのサバ読み疑惑についても詳述している。

ターンベリーでのプレーを終えた27日、トランプはEUのフォン・デア・ライエン欧州委員長と同コースで会談。EUからの輸出品に15%の関税を課すことで合意に至ったと発表した。

翌28日にはスターマー英首相と会談予定。さらにスコットランド北東部アバディーンにあるもう一つの自社ゴルフリゾートを視察するという。

会談前の記者会見で「ターンベリーは世界一のコースだ」と自ら宣伝するなど、“実務”に加えて“営業活動”にも余念がない様子。ちなみに今回の訪問にかかる費用は、およそ1,000万ドル(約14.8億円)とも報じられている