米男性 機内で顔に「パンティ」着用したワケ

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ユナイテッド航空の機内で、マスクの着用義務化に反対する男性が、顔に女性用の下着をつけて搭乗しようとして、降機を命じられる出来事があった。

騒動があったのは15日、フロリダ州フォートローダーデール空港発、首都ワシントン行きの機内。他の乗客が撮影した動画には、反バイデン派の合言葉「レッツ・ゴー・ブランドン」のロゴ入りTシャツを来て、口元を真紅のTバッグで覆った男性が、係員と言い争いをした後、指示に従って席を立つ様子が撮影されている。

男性は、ケープコーラル在住のアダム・ジェニ氏(38)。地元テレビ局NBC2の取材に、パンデミックが始まってから何度も同じことをしていると説明。搭乗員らは様々な反応を示したが、降ろさられたのは初めてだと語った。

運輸保安局(TSA)は、空港、機内、バス、電車の利用者にマスクの着用を義務付けている。

本人の話では、この騒動を目にした数十人の乗客が、自主的に飛行機を降りたという。先の動画には、ジェニ氏が席を立った後、係員に「マスクのことで退去させられたのか?」と対応に疑問を呈し、「俺もここから出る。構わないでくれ」といって、降りようとする男性の姿が映っている。

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気になるのは、なぜ下着をチョイスしたのかだが、ジェニ氏は「愚かさを表現する最高の手段は、愚かさだ」と理由を説明。「すべてナンセンスだ。コロナは飛行機の高度なんて知らない。馬鹿げていて、すべては大げさな作り話だ」と語った。

ジェニ氏はこの活動に、歴史的な意義を見出しているようだ。

「この国に変化をもたらしたのは、みんな一般人だ。ローザ・パークスは無名だったが、彼女は国家の行く末を変えたんだ」と力説した。パークスは、1955年にテネシー州で、白人乗客にバス席をゆずるのを拒否し、公民権運動のきっかけを作った人物。

一方、ユナイテッド航空は声明で「この乗客が、国の定めるマスク着用義務に違反したのは明らか」と非難。「離陸前に対応し、上空での問題を回避した乗務員らに感謝している」と発表した。

運賃は全額返金されたという。ジェニ氏は、ユナイテッドから利用を禁止されたと明かしつつ、「明日のスピリット航空が、ユーモアのセンスがあるといいけどね」と、再トライする意向を語った。

米国では、規則に従わない乗客によるトラブルの報告が増加傾向にある。今年の報告件数は12月14日時点で、5,664件。このうち70%(4,072件)がマスク着用をめぐるものだという。