22日、サンフランシスコに向かって飛行していたアラスカ航空機のエンジンを停止させようとした非番のパイロットが逮捕、起訴された。
ニューヨークポスト紙によると、逮捕・起訴されたのはジョセフ・デイビッド・エマーソン(44)被告。犯行時、コックピットの機長と副操縦士の後ろにある乗務員用のシートに座っており、飛行機の消化システムを作動させようとしたという。
犯行に成功していれば、エンジンへの燃料が遮断される事態になっていたという。同社の広報担当者は「引き抜かれた後もいくらか燃料が残っており、ハンドルをリセットするために乗務員が迅速に対応したことで、燃料が回復し、燃料不足を防ぐことができた」と語っている。
エマーソン被告は非番だったが、航空会社の従業員としてコックピット内に座ることが許可されていたという。
航空機はアラスカ航空傘下のホライゾン航空が運行しており、午後5時半にワシントンを離陸し、サンフランシスコへと向かっていた。
機体は午後6時30分頃にポートランド国際空港に緊急着陸し、エマーソン被告はポートランド空港警察によって拘束された。
地元のTV局が入手した音声によると、機長は管制官に「コックピットでエンジンを切ろうとした男がいるが、今は後ろにいて問題を起こしていないようだ」と説明。「取り押さえられている。着陸でき次第、取締官を願いたい」と要請していた。
着陸後、エマーソン被告は問題なく拘束され、83件の殺人未遂と無謀な危険行為などの罪で起訴された。
犯行の動機については明らかにされていない。
エマーソン被告はベイエリアにある町、プレザントヒル在住で、妻と2人の子供がいる。5年ほど前に家族で引っ越してきたという。隣人はTVの取材に「彼はいつもポジティブでフレンドリー、陽気だった」と述べ、「ニュースを知って衝撃を受けた。信じられない」と語った。自宅の庭には来週に控えるハロウィンの飾り付けがされていた。
連邦航空局(FAA)のデータベースによると、エマーソン被告はFAAの認定パイロットで先月に健康診断をクリアしていた。