ワーナーブラザース ケビン・ツジハラ会長兼CEO辞任。女優とのスキャンダル発覚で

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ワーナー・ブラザース・エンターテインメントのケビン・ツジハラ(Kevin Tsujihara)氏(54)は、会長兼最高経営者(CEO)職を辞任することが分かった。ハリウッドレポーターなど複数メディアが報じた。

日系3世のツジハラ氏は、タイム・ワーナーのジェフ・ビューケス(Jeff Bewkes)CEOの後を引き継ぎ、2013年アジア系アメリカ人として、初めてハリウッドのメジャースタジオ役員に就任した。

ツジハラ氏は、ワーナー在職中に、クリストファー・ノーラン監督のダークナイト3部作や、ハリー・ポッターのスピンオフ作品『ファンタスティック・ビースト』シリーズ、パティ・ジェンキンス監督とガル・ガドット主演の『ワンダーウーマン』、ジョン・チュウ監督やアジア系俳優を起用した『クレイジーリッチ!』、ジェームス・ワン監督『アクアマン』などのヒット作を生み出してきた。

ワーナーの親会社、ワーナーメディア(WarnerMedia)のジョン・スタンリー(John Stankey)CEOは18日、「25年間スタジオの成功に多大な貢献を行った。」とツジハラ氏に感謝を述べる一方、「彼が犯した過ちは、リーダーとして求められるものと相反するものであり、彼は、今後の企業の遂行能力に影響を与えると分かっている。」と辞任理由を述べた。

今月上旬にスキャンダルが浮上

ハリウッドレポーターは今月6日、ツジハラ氏と英国人女優のシャーロット・カーク(Charlotte Kirk)さんが交わしたテキストメッセージを公表した。2013年に、オーディションで彼女を推薦することと引き換えに、性的関係を持ったことが明らかとなった。

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カークさんを紹介したのは、オーストラリア人の富豪ジェームズ・パッカー(James Packer)氏だ。当時、パッカー氏のビジネスパートナー、ブレット・ラトナー(Brett Ratner)監督は、ワーナーと映画製作の契約を結ぶ交渉を行っていた。
同年、ラトナー氏の製作会社ラットパック・デューン・エンターテインメント(RatPac-Dune)は、ワーナーと4年間で4億5000万ドルの契約を締結している。

2017年、ラトナー監督が複数女性にセクハラ行為をはたらいた疑惑が浮上。その後、ケビン氏は、ラットパック・デューンとの契約を破棄した。

女優のカークさんは、これまでにワーナーの『ワタシが私を見つけるまで』(How to Be Single、2016)と『オーシャンズ8』(2018)に出演している。

ツジハラ氏の代理人は、彼女の起用に直接関与していないと主張している。現在外部の法律事務所が調査を進めている。
PageSixなどよると、カークさんも、ツジハラ氏に関する疑惑は否定しており、2人の間には特別な約束事はなかったと述べている。

スキャンダルは、AT&Tによるワーナーメディア(前タイム・ワーナー)の買収が承認された後に浮上した。