ヴィクトリアズ・シークレット ファッションショーTV放送終了か

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米国のランジェリーブランド、ヴィクトリアズ・シークレット(Victoria’s Secret)の親会社、Lブランズ(L Brands)のレスリー・ウェクスナー(Les Wexner)最高経営責任者(CEO)は、毎年恒例のファッションショーのテレビ放送の見直しを検討していることを従業員に明かした。CNBCが報じた

1995年にニューヨークのプラザホテルで開催されて以来、23年間にわたり、タイラ・ バンクスやジゼル・ブンチェン、アドリアナ・リマ、ミランダ・カーなど数々の有名モデル”エンジェル”を輩出してきた。また2001年からテレビ放送されており、テイラー・スイフトやカニエ・ウエスト、レディー・ガガ、リアーナらがパフォーマンスを行ってきた。

CNBCが入手した従業員宛のメモで、ウェクスナー氏は「ファッションは変化するビジネスだ。我々も成長するために、進化し変わらなければならない」と述べ、「ネットワークテレビがショーに合うとは思わない。」と従来の放送ではなく、別のイベントを検討する予定だと記されている。

視聴者は2013年から3分の1に

©ABC/Jeff Neira

ショーは毎年米ABCとCBSのネットワークテレビ局で毎年放映されているが、人種や性別、サイズの多様性が求められる近年、ショーの視聴率は下落傾向にある。

エド・ラゼック(Ed Razek)最高マーケティング責任者は昨年11月、米VOGUE誌のインタビューで、プラスサイズやトランスジェンダーのモデルの起用に関する質問を受け、「起用すべきでないと思う。ショーはファンタジーだからだ。」と発言し、多くの非難を浴びた

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昨年ABCで放送されたショーの視聴者は過去最低の330万人で、2017年の約500万人から大幅に減少した。BusinessInsiderによると、2013年の視聴者は970万人だった。

変わるランジェリー業界

ヴィクトリアズ・シークレットは2016年に終了したスイムウェア販売を今年再開した。また2月には新たな商品開発のため、米国内の53店舗の閉鎖を発表した。

米国のランジェリーマーケットは約72億ドル(約8000億円)とされる。最近は、歌手リアーナが手がけるランジェリーブランド「Savage X Fenty」や、スタートアップ企業のアバウト・ミー(Adore Me)、サードラブ(ThirdLove)、ライブリー(Lively)などが、フィット感や多様性を前面に押し出した商品展開で、顧客を取り込んでいる。競合のアメリカン・イーグルのエアリー(Aerie)も売り上げを伸ばしている。今年2月には、大手小売店のターゲット(Target)が、ランジェリーライン「Auden」の販売を開始している。