ウクライナ軍によるロシア軍将官の殺害、米国が情報支援か

ニューヨークタイムズは4日、政府高官の話として、ウクライナ軍がロシア軍将校の殺害に相次いで成功している背後に、米国の情報支援があると伝えた。

支援は、ウクライナに戦場の情報をリアルタイムに提供するというバイデン政権の極秘の取り組みの一部で、これには、ドンバス地域でのモスクワの極秘戦闘計画に関する米側の評価に基づいたロシア軍の動きの予測なども含まれるという。

戦争全般を通じて、米国の情報機関は、ロシア軍の動きを追跡するために、商用衛星を含む様々なソースを使用しているという。

ウクライナは、米国から提供されるロシア軍の移動本部の場所や詳細と、通信傍受など自らの諜報活動により得た情報を組み合わせて、砲撃などの攻撃を展開しているという。

タイムズは、米国の情報支援が、戦地で決定的な効果を発揮しているとする一方、米国がウクライナに与えているロシア軍の動きに関する実用的な情報提供の流れは、ほとんど前例がないとも指摘している。

ウクライナは、これまでにロシア軍の将官12人を殺害したと発表している。

タイムズの報道後、国家安全保障会議のエイドリアン・ワトソン報道官は、戦場のインテリジェンスは、ロシアの将官を殺害する目的でウクライナに提供されたものではないと、報道内容を否定した。

国防総省のジョン・カービー報道官も、5日の会見で、米国の戦場における情報提供はウクライナの国土防衛を支援するためだと強調。「軍の上級リーダーの位置情報を提供したり、ウクライナ軍の標的決定に関与していない」と語った。

一方でタイムズは、政府は戦場の諜報活動について、米国の関与のエスカレーションと捉えられ、プーチン大統領をより広範な戦争に向かわせることを恐れており、秘密にしようと努めてきたと指摘している。

諜報活動に加え、ロシア側が将官を失ってきた背景にはロシア軍独自の脆弱性も関係している。将官らは、盗聴されやすい電話やラジオで話すことがよくあるという。またロシア軍は、指揮命令系統が上位下達であることから、分散化された米軍と異なり、上級将校にのみ意思決定の権限が与えらており、これが、ロジスティクスや作戦上の問題を解決する際、彼らがリスクを犯して最前線に行かざるを得ない状況を作りだしているという。

なおこの前日には、米軍がウクライナ兵士に対する兵器訓練を強化しており、数百人が砲撃やドローン、レーダーに関する訓練を受けたと伝えられた。訓練はウクライナ国外の複数の場所で実施されているという。4月に国防総省が「スイッチャブルドローン」の使用に関する訓練を十数人に施したことを明らかにしてから、大幅に増えているという。

現時点で、220名のウクライナ兵士が、M777榴弾砲などの砲撃訓練を完了した。日曜日には、新型の自爆型ドローン「フェニックス・ゴースト」の一週間訓練コースを20名の兵士が終えたと報じられている。