バイデン大統領は1日、アルカイダの現指導者アルザワヒリ容疑者(71)を、30日夜にアフガニスタンの首都カブールで実行した米国の対テロ作戦で殺害したと明らかにした。

バイデン氏は「正義がもたらされた。このテロリストの指導者はもはやいない」と話し、「時間がかかろうと、どこに隠れようと、われわれ国民に脅威である限り、米国は見つけ出し、抹殺することを再び証明して見せた」と発表。「私はアフガニスタンとそれを超える地域で、効果的な対テロ作戦を実行することを米国民に誓った。それをやってのけたのだ」と語った。

作戦は、昨年の混乱を極めた米軍のアフガン撤退劇からほぼ一年後に実行に移された。20年間におよんだアフガニスタンの軍事プレゼンスを失うことで、作戦遂行能力が奪われると批判的な意見が広がっていたが、今回の成功により、最重要とする標的に対する攻撃能力を保持していることが示された形となる。

Yahoo Newsによると、アルザワヒリ容疑者は家族とともにタリバンが運営する隠れ家におり、バルコニーにいたところをCIAの無人機が発射したヘルファイアミサイルによって殺害された。

バイデン氏が、アルザワヒリ容疑者の居場所についてブリーフィングを最初に受けたのは7月1日で、この時バイデン氏は話に食い入り、隠れ家のレイアウトや空爆による近隣住民におよぶ被害の可能性を知りたがったという。これと並行して、政権の法律顧問らはアルザワヒリ容疑者について「合法的な標的」であるとの判断を下したという。

ある高官が同サイトに話したところでは、「情報は日増しに強化されていった」といい、バイデン氏はコロナで隔離中だった7月25日に、国家安全保障の顧問らの助言を得て爆撃を承認した。

医師だったアルザワヒリ容疑者は、1970年代にエジプトの反政府過激派集団エジプト・イスラム・ジハード団(EIJ)を結成。1998年にアルカイダと合併した。1998年のアフリカの米大使館爆破事件の計画を助け、2000年のイエメン米駆逐艦コール爆破事件にも関与。ビンラディンの右腕とされ、同時多発テロ事件を首謀した一人とされる。ビンラディンの死後、アルカイダの指導者の地位を引き継いた。FBIの最重要指名手配トップ10の一人で、同局は、拘束につながる情報に2,500万ドルの懸賞金をかけていた。

トランプ氏関心なかった?

もちろんトランプ大統領も在任中、情報機関関係者と対テロ対策に関連する協議を重ねており、その中で、CIAが最も重要視していたアルザワヒリ容疑者の名前についても、常に言及があったという。

トランプ氏は、最終的にイスラム国指導者のバグダディ容疑者、アルカイダ指導者カシム・アル・リミといったCIAの標的リスト上位に対する爆撃にゴーサインを出したものの、実のところは名前すら知らず、関心を示したのは、ビンラディンの息子ハムザ容疑者のことばかりだったという。

NBCニュースによると、ペンタゴンの元関係者は当時、同局の取材に、「これらの人々の名前は聞いたことがない。ハムザ・ビンラディンはどうだ」とトランプ氏は決まって発言していたと明かし、「これが唯一彼が知っている名前だった」と話した。

関係者らによると、ハムザ容疑者の殺害は2018年に実行に移されたが、米国への攻撃を計画しているとは考えられていなかった。2018年にCIAで対テロリスト作戦を率いていたダグラス・ロンドン氏は、トランプ氏のハムザ容疑者への「固執」は、「米国の安全保障にとってより良い選択をするよりも、有名人を標的とした殺害を好む一例だ」と指摘。CIAの当時の分析では継承順位はトップではなく、最大の脅威でもなかったと話した。それでもトランプ氏は、ハムザ容疑者に関する情報の更新を定期的に求め、追跡の取り組みを加速するよう主張し続けたという。ロンドン氏は、別のサイトに掲載した寄稿で、2018年の中間選挙に向けて結果を出そういう政治的取り組みの一環だった可能性を示唆している。