2020大統領選 民主党討論会後に最もグーグル検索された注目候補は?

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グーグルの発表によると、7月30-31日にデトロイトで開催された民主党の大統領選候補者討論後、ハワイ選出のトゥルシ・ガバード(Tulsi Gabbard)下院議員(38)の検索数が候補者中トップになったことがわかった。

ガバード議員は前回のマイアミ討論会でも検索数トップを獲得している。

ガバード陣営は、アジェンダである「無駄な戦争と核兵器競争の終結」が求められている結果だと述べ、9月のディベートに向けて支持を呼びかけた。

討論会の2日目に登場したガバード議員は、マイアミ討論会でバイデン前副大統領に厳しく詰め寄り、支持率を大きく上げたカマラ・ハリス上院議員(カリフォルニア)に対する批判を展開し、注目を集めた。

ガバード議員は「ハリス上院議員は検察官としての実績を誇りにしており、検察官大統領になるといっている。しかし、私はこの実績に深い懸念を持っている。」と、サンフランシスコの地方検事とカリフォルニア州司法長官を歴任したハリス議員の経歴について語った。

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続けて「彼女はマリファナの違反で1500人以上を刑務所に送り、その一方でマリファナを吸ったことがあるかと聞かれて笑っていた」と、今年2月のラジオ番組内での発言を非難した。

ラジオ番組「ブレックファーストクラブ」で、マリファナ合法化の立場について聞かれたハリス議員は、ジャマイカ出身の父親を持つことを持ち出し、「冗談をいってるの」と上機嫌で回答。吸ったことがあるかと聞かれると「ある」と述べ、「昔の話で、ただ規則を破ってしまっただけよ」と笑いながら語った。

さらにガバード議員は「彼女は、無実の人を死刑から解放したかもしれない証拠を、法廷に命じられるまで妨害した。カリフォルニア州の安価な労働力として囚人を使用するために、刑期を超えて彼らを収監した。そして、彼女は最悪の方法で、貧乏な人々に影響を与える保釈制度を守るために戦ったのだ」と次々と非難を繰り広げた。

死刑は、1983年に4人の殺人で死刑を宣告されたケビン・クーパーに関する発言で、ハリス議員は司法長官時代、クーパーの要求を拒否し、最新のDNAテストを許可しなかった。今年2月、ギャビン・ニューサム州知事が、事件について追加のDNA検査を命じている。

安価な労働力は、今年2月にデイリー・ビーストが報じたもので、ハリス氏が司法長官だった2014年、刑務所の混雑削減を裁判所が命じている一方で、同オフィスの検事らが、山火事の対策を支援するために、非暴力犯を刑務所に止めるべきだと主張していた。

ガバード議員の批判に対し、ハリス議員は「カリフォルニアの司法長官に選出されたものとして、モデル4,000万人の州の刑事司法制度を大きく改正した」と述べた。また「思いつきのスピーチをただするのではなく、決断をしたことを誇りに思う」と発言を批判しつつも、直接的な回答を避けた。

ガバード議員は改めて、死刑囚の話を繰り返しつつ、ハリス長官のもとで苦しみを味わった人々に、議員は謝らなければならない、と語った。

議論は場外戦へ

討論会後、ガバード議員について聞かれたハリス氏は、「私は明らかにトップを走る候補者だから、攻撃は予想していた。」と語った。ガバード氏について「0%か1%かわからないけど」と支持率の低さを強調しつつ、これは「国民をゴキブリのように殺害するアサドの擁護者から出た発言だ」と、ガバード氏の経歴を批判した。

ガバード議員は、イラク戦争に従軍した元軍人で、現在も州軍少佐の地位にある。キャンペーンでは「資源と、命を体制転覆の戦争に使用することを止め、力を平和と人々の繁栄に向ける」と述べるなど、米国の軍事外交、介入主義の終焉を唱えている。

2017年にはシリアのアサド大統領と面会した。これまで「アサド氏は、米国に対する直接的な脅威でないため、米国の敵ではない」と述べるなど、介入に批判的な立場を取っている。

一方、ガバード議員はフォックスニュースのインタビューで、「ハリス議員は質問に答えることを拒否した。」と述べ、ハリス議員の討論会後の発言について「基本的に安っぽい中傷を投げかけ、私が反逆者か外国の諜報員、トロイの木馬かなにかのように発言した」と語った。また、「私は中東派遣を経験した退役軍人で、現在も陸軍に使える兵士だ。議会のメンバーでもあり、彼女がこのように私を中傷したのだ。大統領として彼女が人々に何をするか考えたほうがよい」と述べ、大統領職に不適任であると意見を述べた。