ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は7月31日の記者会見で、「トランプ大統領は過去半年間に平均して毎月1件の紛争を解決している」と胸を張り、「ノーベル平和賞を受賞する時期はとうに過ぎている」と語った。
報道官によれば、トランプは貿易協定をてこにタイとカンボジアの和平を仲介したほか、インドとパキスタン、イスラエルとイラン、ルワンダとコンゴ民主共和国、セルビアとコソボ、エジプトとエチオピアといった地域の紛争を終わらせたとされる。
トランプは長らく自分こそノーベル平和賞を与えられるべきだと主張し続けている。ジョン・ボルトン元大統領補佐官(国家安全保障担当)によれば、その執着はオバマ元大統領への対抗心からなのだとか。ただし、こうした“功績”に対しては、当事国や専門家から疑問の声が噴出している。
インド政府は、米国の仲介による停戦が、トランプの言う貿易上の譲歩の提案が一因だったという主張を否定している。CNNによると、タイとカンボジアの停戦合意は、ASEAN議長国であるマレーシアのアンワル・イブラヒム首相によって発表された。同首相は、首都クアラルンプール近郊の公邸で、カンボジアのフン・マネト首相とタイのプムタム・ウェチャヤチャイ首相代行との会談を仲介した。専門家によれば、ガザ地区のイスラエルとハマス間の戦争における停戦は、3月に崩壊し、それ以来戦闘が激化している。そもそも大統領就任から24時間以内に終わらせると豪語したウクライナとロシアの戦争については、言及すらしなかった。トランプの関税発動の警告にも関わらず、ロシアは今もウクライナ北部や東部で攻勢を強めていると報じられている。
『平和賞アピール』は、SNS上でも猛烈な皮肉と批判の対象となっている。
「彼女はトランプが南北戦争を終わらせたとは言わなかっただけマシだな」
「月1件の和平って…サブスクサービスかよ」
「賞がもらえなければ関税で脅す、それが“トランプ流の外交”なのか」
「5歳児がおもちゃを欲しがって泣きわめいてるようにしか見えない」
「トランプは無実の移民を連行し、法的手続きを無視して外国の強制収容所に送り込んでいる。こんな人がノーベル平和賞を取れるわけない」
中には、レビット報道官の発言スタイルに、北朝鮮国営放送の女性アナウンサーを重ねるミームやコメントもある。
「北朝鮮そのものの異様な雰囲気を醸し出している」
「まるで操り人形のように、トランプにノーベル平和賞を強硬に要求している」
さらに一部では、彼女の精神状態に疑念を呈する声も飛び出し、「尿検査を受けるべき」「現実と妄想の区別がついていない」といった過激なコメントも見られた。
言い続ければ夢は現実に?欲しがるほどに遠のく?はたしてトランプ流ノーベル平和賞アピール、花は咲くのか、はたまた幻のまま終わるのか…予測不能なショーはまだまだ続きそうだ。