トランプ氏の違法献金への関与、弾劾、刑事訴追の可能性は?

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ニューヨーク連邦検察は7日に提出した裁判資料で、トランプ氏と過去に性的関係を持ったとされる2人の女性に対する違法な口止め料支払いを巡り、トランプ氏の元私設弁護士のマイケル・コーエン氏が中心的役割を果たしたとしつつ、トランプ氏(資料では個人1)の協力と指示によるものであると主張した。

週末、複数メディアに出演した議員や識者らは、捜査が大統領に与える問題について語った。

弾劾の可能性は?

民主党が多数となる次期下院で司法委員会委員長となるジェリー・ナドラー議員(民主 ニューヨーク)は、CNNのState of the Unionに出演し、トランプ大統領を「弾劾しうる犯罪」であると可能性を述べる一方、「弾劾しうる罪を犯したという理由で、大統領に対する弾劾手続きを開始する必要はない」「弾劾は選挙結果に影響またはくつがえそうとする試みであり、相当に深刻な場合にかぎるべきだ」と慎重な姿勢を見せた。

アンガス・キング上院議員(無所属 メーン州)は、NBCのMeet the Pressのインタビューに出演し、「弾劾は刑事訴追と全く別だ」とし、「もし、現在の証拠をもって弾劾を進めるならば、少なくとも国民の3分の1は大統領に対する政治的リベンジ、または攻撃と受け取られる」と否定的な見解を述べ、「このような問題を解決する最適な方法は選挙だ」と語った。

刑事訴追の可能性

アンガス・キング上院議員(無所属 メーン州)は、「現職の大統領は起訴されるべきでないと司法省が数年前に判断を下したように、この件に関して、大統領が起訴されるかどうかは、疑問の余地がある」と語った。

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一方、次期下院情報特別委員会の委員長となるアダム・シフ下院議員(民主 カリフォルニア州)は、CBCのFace the Nationに出演し、「ドナルド・トランプ氏がオフィスを去る日に、司法省が起訴するという可能性は大変現実的である」と政権終了後の見込みを語り、「一定の禁錮期間の現実的な可能性に直面する初めての大統領だ」と述べた。

ランド・ポール上院議員(共和党 ケンタッキー州)は、NBCのMeet the Pressで、選挙資金に関する規制の複雑性を強調しつつ、「選挙献金に正しく仕分けしなかったという書類手続上の過ちでは、禁固刑に処すべきではない」と個人的見解を語った。

2016年大統領選でトランプ陣営に参加した前ニュージャージー州知事で元連邦検事のクリス・クリスティー氏は、ABCのThis Weekで、現職の大統領は起訴できないとする司法省の判断を強調する一方、ニューヨーク連邦検察が、コーエン氏以外に大統領の関与を裏付ける決定的な証拠を有してることが裁判資料から読み取られるとし、ロシア捜査以上に、ホワイトハウスは懸念すべきである、と状況の深刻性を述べた。