伝記映画「アプレンティス」で再浮上、トランプ氏の妻への暴行疑惑とは?

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20日、カンヌ国際映画祭でプレミア上映されたトランプ前大統領の伝記映画「ジ・アプレンティス」の内容をめぐり、トランプ陣営が製作者を提訴する意向を表明した。

Deadlineによると、陣営の報道官スティーブン・チャン氏は、作品は「偽映画製作者によるあからさまな虚偽に対処するために訴訟を起こす」と主張。「このゴミ作品は、長い間暴かれてきた嘘をセンセーショナルに扱う単なるフィクション」と述べ、「バイデンの違法な裁判と同様、これはハリウッドのエリートによる選挙妨害」と非難した。

トランプ氏が司会を務めたリアリティ番組にちなんで名付けられた同作品は、「不動産王」として名を馳せるまでの若きトランプ氏が描かれている。

映画には、トランプ氏が最初の妻イヴァナさんをレイプするシーンが含まれているという。

トランプ氏の暴行疑惑は、90年代初頭にイヴァナさんが離婚訴訟に際して宣誓証言したとされ、ニューズウィークの元記者ハリー・ハート氏が1993年発売の著書「Lost Tycoon: The Many Lives of Donald J. Trump」で取り上げたことで明るみに出た。作品は当初注目を浴びなかったが、トランプ氏が大統領選に名乗りをあげた2015年、ニュースサイトのデイリービーストが報じ、疑惑が再浮上した。

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同サイトによると、著書では、頭皮縮小手術が思いのほか痛みを伴ったことに腹を立てたトランプ氏がイヴァナさんを”暴行した”とされている。トランプ氏は「お前のクソ医者が私を台無しにした」と非難。腕をつかんで、頭皮から髪を一握り引き抜いた挙句、服を脱がして自分のズボンのファスナーを下ろした。ハート氏は「それから彼は16ヶ月ぶりにペニスを押し込んだ。イヴァナは怯え、それは暴力的な暴行だ」と記し、イヴァナさんは親しい友人らに「彼が私をレイプした」と打ち明けたとしている。

部屋に鍵をかけて一晩中泣いた後、朝になってマスターベッドルームに戻ったイヴァナさんに、トランプ氏は「恐ろしいカジュアルさ」で「傷ついたのか?」と声をかけたとも書かれているという。

トランプ氏は出版された当時、「明らかな虚偽」と内容を否定。「それは間違いで、たいして才能のない男によるものだ。あいつは執念深く嫉妬深い魅力のない男だ」と酷評したという。

またトランプ氏と弁護士は、出版社にイヴァナさんの声明を提供し、それが本の最初のページに掲載されることになった。イヴァナさんは声明の中で、離婚手続きに際して、夫からレイプを受けたと証言したことを認めたが、一方で「私の言葉が文字通りの意味や犯罪的な意味に解釈されることを望んでいない」と説明を加えていた。

2015年のデイリービーストの取材に対して、当時トランプ氏の弁護士だったマイケル・コーエン氏は「君たちが話しているのは、共和党の最有力候補で、大統領候補であり、誰もレイプなどしたことのない私人のことだ。もちろん、定義からして配偶者をレイプすることはできないことを知っているだろう」と、当時のボスを擁護。さらに「君と私は必ず裁判所で会う」「トランプ氏の名前とレイプのワードを含む記事を書いたら、人生を台無しにしてやるぞ」と脅したという。

イヴァナさんは1977年にトランプ氏と結婚。ジュニア氏、エリック氏、イバンカ氏の3人の子供をもうけた。1992年に離婚するまで、ファミリービジネスの主要な役割を担った。アトランティック・シティのホテルカジノ「キャッスル」のCEOを務めたほか、グランドハイアットやトランプタワーのインテリアデザインをまかされるなどした。

離婚のきっかけは、トランプ氏がマーラ・メイプルズさんと不倫をしたことだった。メイプルズさんは1993年10月にティファニー・トランプさんを出産し、この数ヶ月後に、トランプ氏と結婚した。

なおイヴァナさんは2022年7月、マンハッタンのアッパーイーストにある自宅で意識不明の状態で取れているところを発見された。救急隊が駆けつけたがその場で死亡が確認された。

2022年7月20日、マンハッタンで執り行われたイヴァナさんの葬儀の様子↓