『老人と無能トリオ』──トランプ、首都治安維持に州兵投入でSNS大荒れ

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11日、トランプ大統領は、首都ワシントンの犯罪撲滅のため、警察組織を連邦政府の管理下に置くとともに、州兵を投入すると発表した。記者会見場で閣僚たちを後ろに従え、「本日はワシントンDCにとっての解放日だ。われわれは首都を奪還する」と宣言。「凶暴なギャングと血に飢えた犯罪者、麻薬中毒の狂人たちに首都が乗っ取られている」と恐怖を煽る言葉を並べ立てた。

しかしながら、トランプが「犯罪が制御不能」と主張する物騒なイメージとは裏腹に、公式統計によればD.C.の暴力犯罪はこの30年間で最低とも報じられている。

ものものしい会見に異例の措置。自治権の侵害や市民自由の制限を危惧する声など、すぐに厳しい批判があがる一方、SNSでは苦笑や皮肉が噴出している。

あるユーザーは「ろれつの怪しいおじいちゃんトランプが、無能トリオ(ボンディ、ヘグセス、カシュ・パテル)を引き連れて『軍を出すぞ』と語る姿…笑いたいけど、実はかなり不気味」という率直な感想を投稿。
別のユーザーは「D.C.の住民で今回の件にうんざりしている人は、いっそ笑い飛ばせばいい。だって本当にバカげてる」とコメントした。さらに「まるで映画に出てくる悪党の寄せ集め。これを選んだ人たちが信じられない!」、「コメディが不気味な権威主義に出会った日」と、フィクション映画さながらの展開を嘆く声も。

また、エプスタイン問題から目を逸らすための演出だという見方も多く、
「全部トランプの犯罪をごまかすため。プーチンとのアラスカ会談もしかり」
「エプスタイン事件に集中すべき。忘れさせる気なんだ」
といった投稿も目立つ。

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トランプの後ろには、パム・ボンディ司法長官や元FOXニュース司会者でD.C.司法長官になったジーン・ピロ、ピート・ヘグセス国防長官、カシュ・パテルFBI長官ら、見慣れた面々が勢ぞろい。真面目な面持ちの彼らを音楽バンドに見立てた大喜利が繰り広げられ、

「エプスタイン隠蔽トリオ」
「New Kids On Trump’s C**k」
「破滅バンド」
など、一部では命名合戦が展開している。

一方で、「2021年1月の議事堂襲撃のときはなぜ州兵を出さなかった」という鋭い突っ込みや、愛人に支払った口止め料を不正処理した問題で34の罪で有罪が言い渡された件に触れ、「犯罪を減らす最良の方法はトランプ本人を排除すること」という提案も飛び交っている。

なおワシントンポスト紙によると、トランプはこの日、二つの大統領令に署名した。そのうちの一つがワシントンD.C.の警察を連邦政府の直接管理下に置くことを可能にするもの。この連邦化は48時間有効で、延長の理由を議会に通知することで30日間まで延長することができる。それを超える権限発動には上下両院の承認が必要になるという。

トランプ劇場につきまとう茶番の香り──。今回の州兵投入、狙いは本当に治安維持か、それとも話題そらしの政治ショーか。アンチを呆れさせて戦意を奪う作戦か。