タイムズスクエア カウントダウンでピザデリバリーはOK?

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主催者発表では100万人が訪れたというタイムズスクエアの大晦日カウントダウンイベント。感動の一瞬を迎えるために早朝から人が押し寄せ、お昼には大勢の人々で埋め尽くされた。

参加者にとって困難なのは、とにかく深夜までその場で待機しなければならないということ。会場にはトイレもなく、一度出てしまうと同じ場所に戻ることができないため、オムツ着用で参加する者も多い。

人間だから当然おなかもすく。10時間以上寒風にさらされるならば、なおさらだ。そんな需要に応えるために、会場内には大きなピザの保温バッグをかかえて忙しく動き回るドミノピザの配達員の姿があった。

ニューヨークポストによると、配達をするのは近くにあるドミノピザ・フランチャイズ店のラタン・バニクさん。大晦日のタイムズスクエア配達は15年目になるという。

値段は需要と供給のバランスで決まる。通常14.49ドルのペパロニとハムチーズのピザは約2倍の30ドルで販売。お店のスタッフが同紙に語ったところでは、夕方6時までには50枚以上を売り上げたという。その場でバニクさんを呼び止め、33ドル支払った男性もいる。

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お腹をすかせた観客たちには歓迎されたサービスだが、ニューヨーク市長には不当な商売と写ったようだ。ビル・デブラシオ市長は翌日、ポスト紙の画像を貼り付け、「ホリデーをお祝いしようっていう人々に対して値段を釣り上げたんだって?いいご身分だね。」とツイート。続けて「タイムズスクエアに2020年を迎えに訪れた人々に対して、このチェーン企業が搾取しようとしたことをお詫びします。われわれのローカルの素晴らしいピザ店を応援することで、彼らに仕打ちをしてあげましょう。」と述べた。

市長のツイートに対しては、反論が多く寄せられた。「いくらで買うかは顧客が選ぶんだ」「30ドルって、タイムズスクエア近くの”ローカル”のピザ屋の、通常の一枚分の値段と変わらないじゃないか」といったコメントのほか、「最低賃金を上げたことが、どんな影響を及ぼしているかわかっているのか」「今や民主党はピザの無償化を求めている」といったポリティカルな書き込みも寄せられている。