NYクイーンズ区検事長民主党予備選 進歩派が推薦のカバン氏が敗北宣言

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プログレッシブ対エスタブリッシュメントの対決として、大きな注目を浴びたニューヨーク市クイーンズ区の検事長民主党予備選で6日夜、ティファニー・カバン(Tiffany Cabán)氏が敗北を宣言した。

選挙は、28年間検事長を務めた故リチャード・ブラウン(Richard Brown)氏の後任を決定するため、11月の本選挙を前に、6月25日予備選が行われた。

僅差により全投票用紙を手動で再計算するなど、集計に6週間を費やした結果、わずか55票の差で、クイーンズ区長を務めるメリンダ・カッツ(Melinda Katz)氏が勝利を手にした。

カバン氏はアストリアのバーで支援者に感謝を述べ、「われわれは刑事司法改革を俎上に載せ、次期クイーンズ区検事長に、保釈金制度の廃止を約束させた。」と貧困層に不利な現行制度に改革を促したと成果を語り、「民主党のエスタブリッシュメントを脅かした」と述べた。さらに、現在の選挙システムには欠陥があるとして、修正の必要性があると主張した。

プログレッシブ対エスタブリッシュメント

現職のクイーンズ区長であるカッツ氏は、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ州知事や労働組合、有力政治家が推薦。一方、国選弁護人であるカバン氏は、バーニー・サンダース上院議員や、アレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員、エリザベス・ウォーレン上院議員など進歩派が支持を表明しており、エスタブリッシュメントとプログレッシブの戦いとして全米の注目を浴びた。

双方が勝利宣言

投開票の当日、1,000票リードした段階でカバン氏が勝利宣言したが、カバン氏は反発。不在者投票と宣誓投票(affidavit ballots、投票所に氏名がなかった場合に記載する投票用紙)の集計を合わせた結果、カッツ氏が16票リードし、勝利が逆転した。
選挙委員会は、僅差を理由に約9万票の手動による再集計を実施した。その結果、カッツ氏が60票リードし、勝利宣言を行った
しかし、カバン陣営は、選挙委員会が114票の宣誓投票を無効にしたのは誤りと主張。同問題について、クイーンズ州ジャマイカの州最高裁判所で審議が行われることとなった。

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amNewYorkによると、裁判所のジョン・イングラム(John G. Ingram)判事は、カバン陣営が求めていた宣誓投票の開票は行わないと判決を下した。これによりカッツ陣営が、今後の投票数に変化がないことをカバン陣営に伝えた後、敗北宣言が行われた。