NYでバスや地下鉄での犯罪相次ぐ、10日間で3人刺され死亡

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ニューヨーク市の公共交通機関では、10日間で3人が刃物で刺され死亡するなど、事件が相次ぎ発生。遺族から怒りの声が上がっている。

9日夜、ブロンクスを走行中のバスの車内で、55歳の男性が、2人組の男女に腹部を刺され死亡した。被害者のラモント・バークレーさんはバスに乗車する前、バーで加害者の女と口論をしていた。女は仲間の男を呼びつけ、バークレーさんと同じバスに乗り込んだ後、刃物で襲った。ニューヨーク市警察は10日、エボニー・ジャクソン(42)を殺人罪などで逮捕、起訴した。男はまだ捕まっていない。

クイーンズの球場シティ・フィールドの従業員チャールズ・ムーアさん(38)は6日夜、職場から帰宅途中、ブロンクスのイースト176ストリート駅で背中を複数回刺され、搬送先の病院で死亡が確認された。

監視カメラの映像には、ムーアさんが男と駅のプラットフォームでもみあう様子が撮影されていた。ニューヨーク市警察は、ムーアさんを刺したサクァン・レモンズ(27)を殺人罪などで起訴した。弁護人は、被告の精神鑑定を求めている。

ムーアさんの母親はニューヨークポスト紙の取材に対し、「市はわれわれを裏切った」とエリック・アダムス市長の安全対策を非難。駅を巡回する警察官を増やすよう訴えた。

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先月30日には、トミー・ベイリーさん(43)が職場から帰宅中、Lトレインの車内で43歳の男と口論となり、頸部を刺され死亡した。

このほかにもハーレムやマンハッタン、ブルックリンなどで、地下鉄の利用客が無差別暴行を受ける事件が報告されている。

8日午後、ミッドタウンのレキシントンアベニュー&51ストリート駅の6番線のプラットフォームで電車を待っていた17歳の少年が、6人組の男から殴る蹴るの暴行を受けた後、刃物で刺される事件があった。犯人らは逃走を続けており、警察が市民からの情報提供を求めている。

市の犯罪統計によると、今年、公共交通機関で起きた犯罪は1,700件以上報告されており、昨年同時期より40%以上増加している。キャシー・ホークル州知事は先月、犯罪対策として、地下鉄の全車両に監視カメラを導入する計画を明らかにしている。