16歳の環境活動家グレタ・トゥンベリさん。英国からNYにゼロエミッション・ヨットで到着

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スウェーデンの学生環境活動家、グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(16)らを乗せた、炭素排出量ゼロのヨットが28日、ニューヨークのダウンタウンに到着した。トゥンベリさんは、8月13日英国を出発し、15日間かけて大西洋を横断した。

トゥンベリさんは、昨年8月から毎週金曜日に学校をストライキし、議員らに気候変動の対策を求める活動「Fridays for Future」を行ってきた。1人で始めた活動は、メディアで注目され、賛同した学生ら200万人以上がストライキに参加するなど、世界規模の活動へと発展した。トゥンベリさんは、2019年のノーベル平和賞にノミネートされた。

全長18メートルの「マリツィアII号」(Malizia II.)は、ソーラーパネルと水力発電機で動く。横断中、マックス・プランク研究所と協力し、海面のCO2や水温の測定も行った。

北米大陸に近づき、荒波の状況を伝えるトゥンベリさん

気候変動危機への取り組みを呼びかけ

ニューヨークに到着したトゥンベリさんは、集まった人々やチームのメンバー、気候変動対策に取り組む人々にお礼を述べ、「みなさんおっしゃる通り、気候変動に立ち向かうため、16歳が太平洋を横断しなければならないのは、正気ではない。」と語った。

まだ足がふらつき、頭がはっきりと働かない状態と述べつつ、「旅は驚くほど良好だった。船酔いもしなかった。」と感想を語った。
「気候危機は、人類が直面している最も大きなグローバル・クライシスだ。」と述べ、「皆が協力しないと手遅れになる。そうならないためにも、ともに立ち向かい、お互い手を取り、今すぐ行動しよう。」と呼びかけた。

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気候変動に否定的なトランプ大統領について質問されると、「皆それを尋ねますが、誰も気候変動危機、その緊急性について彼を説得できないのなら、どうして私ができるのでしょうか。」と述べ、「それでも、米国で気候危機への認識を広げることはできると思っている。」と希望を語った。

AP通信によると、横断に使用したヨットは、飛行機で渡米した2人のクルーによってヨーロッパへと戻されることが分かり、一部で批判を浴びた。チームは、使用した炭素を相殺するために、2人が炭素削減活動に取り組むと回答している。

トゥンベリさんは9月21日、アントニオ・グテーレス(Antonio Guterres)国連事務総長がホストを務める国連気候変動のユース・サミットに出席する。12月にはチリのサンティアゴで開催される気候変動枠組条約締約国会議(COP25)に参加を予定している。