NY州ジャージーシティ銃撃事件。容疑者は憎悪団体に関連する人物

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10日午後、ニュージャージー州ジャージーシティで起きた銃撃事件で、警官1人と市民3人、容疑者2人が死亡した。
容疑者はディビッド・アンダーソン(David Anderson)47歳とフランシス・グラハム(Francine Graham)50歳。2人はカップルで、週末にバイヨンヌ付近の車のトランクから死体で発見された人物を殺害した疑いもある。

犯行の動機は?

デイリーニュースによると捜査当局は、アンダーソン容疑者が憎悪団体のブラック・ヒーブルー・イズレイライツ(Black Hebrew Israelite)に関連する人物であると明らかにした。同団体は白人のユダヤ人を標的に抗議活動を行っており、人種差別を監視する非営利団体、南部貧困法律センター(Southern Poverty Law Center)によって憎悪団体と認定されている。
関連の程度については明らかにされていないが、同容疑者が運転していた盗難車のトラックの中には、宗教に関したマニフェストのメモ書きが残されていたという。また爆発装置も発見された。

アンダーソン同容疑者は過去に複数の犯罪歴があり、2004年、2007年、2011年に服役していた。また2009年にはオハイオ州で刑事犯罪で起訴されている。

NBCニュースによると、アンダーソン容疑者のソーシャルメディアには、反警察や反ユダヤ主義に関する投稿が発見されている。

12日、ジャージーシティのスティーブン・ファロップ(Steve Fulop)市長は、憎悪犯罪との明言を避けたが、「ユダヤ教向け食品を販売するコーシャー・デリを標的としたもの」と述べた。後にファロップ市長は、今回の攻撃を憎悪犯罪と述べている。
一方、ガービア・グレウォル(Gurbir Grewal)州司法長官や連邦捜査当局は同日、容疑者の犯行動機がユダヤコミュニティーに対する攻撃として捜査しているかについて質問への回答を拒否した

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市民で犠牲となったのは、ユダヤ正統主義のコミュニティメンバーで、事件現場となった食料品店を営むオーナーの妻、Mindel Ferenczさん(31)とブルックリンの市民団体の指導者の息子Moshe Deutschさん(24)、Douglas Miguel Rodriguezさん(49)。
警官も銃撃を受けて死亡した。勤続年数15年のジョセフ・シールズ(Joseph Seals)さん(39)は墓地の近くで不審なU-Haulのレンタルトラックを発見し、車に近づいたところ、容疑者がシールズさんに向けて発砲した。

2人の容疑者は警官を撃った後、コーシャ食料品店に向けて車を走らせた。停車後、銃を向けながら店にまっすぐ入る姿が監視カメラに映っている。2人は店内に立てこもり、SWATや、ニューアーク市からATF(アルコールたばこ火器爆発物取締局)やFBIの職員、ニューヨーク市警察の特殊作戦部隊などが駆け付けた。警察らとの銃撃戦は数時間続いた。