米最高裁 著作権侵害訴訟の要件を明確化

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米最高裁は4日、裁判で著作権侵害を争う場合、提訴する前に当該の著作物が著作権局によって登録されていなければならないとする判断を下した。申請のみでは不十分とする控訴裁判所の判断を支持した。

裁判は、Fourth Estate Public Benefit CorpとWall-Street.com, LLCの間で争われたもので、著作権元のFourth Estate側は、ライセンス契約が終了した報道記事の使用に関し、Wall-Street.comとオーナーを提訴していた。Fourth Estateは、提訴時点で著作権局へ申請していたが、著作権局による登録は行われていなかった。

ルース・ベイダー・ギンズバーグ判事は意見書で、「著作権者は、これら排他的な権利の侵害について民事訴訟を起こすことができるが、一般的には、”登録された”という要件を満たした後においてである。」とし、「”登録された”というフレーズは、著作権申請者の登録の要請ではなく、著作権を許可する著作権局による行為を指す」と判断を述べた。

一方、映画や音楽など、流通前の侵害に脆弱なものについては、著作権局に事前登録ができるとし、登録以前において著作権侵害の訴訟を起こすことができる、と例外について言及。また生配信についても、”登録される”以前の段階で、著作権侵害を提訴できるとした。

判事は、かつて1~2週間だった申請後の登録期間が、現在は数ヶ月となっていることを認めつつ、原因はスタッフや予算不足によるものだとし、「我々は立法府による文章を書き換えることはできない」が、議会による変更が可能だと述べた。

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ハリウッドレポーターによると、著作権侵害に関する訴訟では、原告が、訴状を提出する数日前に、登録申請を行うケースが多いという。

現在、著作権局の手続き期間は、インターネット申請の場合で平均6ヶ月、郵送によるものでは平均13ヶ月となっている。なお特別取り扱い料800ドルと、登録料550ドルでプロセスを早めることができる。