スポティファイがEUに苦情申し立て:アップル税は競争法違反

648

音楽配信サービスSpotify(スポティファイ)のダニエル・エク(DANIEL EK)最高経営責任者は13日、アップル社が競合の音楽配信サービスとの競争を不当に妨げているとし、アップル社に対する苦情申し立てを欧州委員会に行なったことを明らかにした。

申し立てについてエク氏はブログで、「世界で10億人以上が利用するプラットフォームを運営するアップルは、インターネットのゲートウェイだ。アップルはiOSプラットフォームとApp Store(アップストア)を所有しており、さらにスポティファイのようなサービスに対する競合でもある。論理上は問題ないが、アップルに関して言えば、彼らは常に自身に不公平な優位性を与え続けている」とアプリ市場の支配的立場を利用して、公平な競争を妨げていると語った。

エク氏の苦情には、スポティファイを無償版から有料版にアップグレードする場合を含む、アップルのペイメントシステムを通じたアプリ購入の際に、アップルが徴収する30%の手数料(通称 アップル税)や、ペイメントシステムを導入しない場合の制限などが含まれる。

エク氏は30%のアップル税について、スポティファイの有料会員値段をアップルミュージックより「人工的に高く設定することを強いる」と述べ、価格競争力を維持するためには採用することができないとする一方、システムを採用しない場合、ユーザーとのコミュニケーションやアップグレードに関して技術的制限が設けられている、と競争が阻害されている状況について語った。また、スポティファイや他の競合サービスが、Siriやホームパッド、アップルウォッチといったアップル社のサービスからブロックされていると述べ、「ウーバーやデリバールーなど、アップル税の対象とならない他の多くのアプリと同様の処遇を求める」と、改善の必要を訴えた。

EUは近年、巨大ハイテク企業に厳しい監視を強めており、昨年はグーグルが競争法に違反したとして、過去最高となる50億ドルの制裁金を命じている。

Advertisement