モラー特別検察官 トランプ氏による元弁護士への偽証指示の報道に異議

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トランプ大統領が元弁護士のマイケルコーエン氏に対し、議会で偽証をするよう指示したとするBuzzFeedの記事について、ロシア捜査を担うロバート・モラー特別検察官チームは「正確でない」とする声明を発表した。

[トランプ大統領 元弁護士に偽証指示の疑い 民主党は議会で追求の構え]

声明は、特別検察官のスポークスマンのピーター・カー氏を通じて発表された。カー氏は「マイケル・コーエンの議会証言に関し、特別検察官に対する特定の供述に関する説明や、検察が入手した資料と証言の性格が正確ではない」と述べた。ニューヨークタイムズによると、メディアの報道について特別検察チームが公に異議を唱えるのは初めてで、異例のことだという。

これに対し、BussFeedのベン・スミス編集長はツイッターで「我々の報道とこれを語った情報提元を支持する」と報道の正しさを主張。特別検察官に対し、何について異議を唱えているのか、明確にするよう求めた。

BuzzFeedの記事が配信された翌日、民主党議員からは、議会での真相追求を求める声が噴出していた。

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特別検察官の声明発表を受け、トランプ大統領はツイッターで「BuzzFeedが、ヒラリークリントンと民主党が出資した全く信用に値しない”文書”を公開したことを心に留めなくてはならない。」とBuzzFeedの信頼性を攻撃。「ジャーナリズムにとって悲しむべき日となったが、我々の国家にとってはすばらしい日となった」と述べた。

文書とは、調査会社のフュージョンGPSの依頼で、ロシアとトランプ陣営のつながりについて元英国情報部員のクリストファー・スティール氏がまとめた文書(スティール文書)を指す。選挙のために作成されたもので、民主党やヒラリー・クリントン氏が一部を出資したとされる。トランプ大統領は、政治的動機に基づいたスティール文書がロシア捜査の発端となったと度々主張。トランプ大統領が捜査の正当性を否定する根拠となっている。