嘔吐、失神した乗客も 米航空機「狂ったように」揺れた後に緊急着陸

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メリーランドからノースカロライナに向かうサウスウエスト航空機が、目的地を近くにして進路を変更し、異なる空港に緊急着陸した。

搭乗していたあるカップルは、The Hillの取材に、当初の目的地に近づいた際、航空機が「狂ったように」揺れ、数名が嘔吐し、一人がパニックの発作を起こし気を失ったと話した。

問題があったのは3日。ボルチモア・ワシントン国際空港発ローリー・ダーラム国際空港行きのサウスウエスト3094便。

午後7時出発の予定だった飛行機は、40分間アイドリングした後に離陸。午後9時頃に目的地に近づいた。先述の乗客によると、この時「翼がバタバタとして、揺れていた」という。嘔吐した客以外は静かにしていたが、悪い事態が起きるかも知れないと「ハラハラしていたと思う」と語った。The Hillはフライトレーダーを元に、機体は一度1350フィートまで高度を下げていたとしている。

飛行機は結局ローリーに降りず、後に機長から、あと25分でマートルビーチ国際空港に到着するとのアナウンスが入ったという。

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悪夢はここで終わらなかった。

マートルビーチ国際空港に着陸後、乗客らは2時間機内に閉じ込められ、さらに数時間にわたって閉鎖した空港内で迎えの飛行機を待つことを余儀なくされた。

機長と客室乗務員は、飛行機が向かっていると言い残したまま去ったという。ターミナルには自動販売機もなく、レストランも閉店していた。

結局、午前1時過ぎにボルチモアから到着した機体が、乗客らをローリー・ダーラム国際空港まで運んだ。到着時の時刻は午前4時だったという。本来1時間ほどのフライトが、9時間の恐怖の長旅となった。

サウスウエスト航空は4日に発表した声明で、「ローリー・ダーラム国際空港の気象条件により、3094便をマートルビーチ国際空港に安全に迂回させる決定をした」と悪天候によるものと説明。迅速に「乗客を最終目的地に輸送する別の乗務員と航空機を手配した」と発表した。

今月1日には、テキサス州オースティン発ドイツのフランクフルト行きのルフトハンザ航空の機体が、激しい乱気流に巻き込まれ、ワシントンD.C.郊外にあるワシントンダレス国際空港に緊急着陸した。揺れにより7人が負傷し、病院で手当を受けた。