元連邦検察官が指摘する大谷選手のリスクとは、通訳の違法賭博スキャンダル

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シーズン開始直後、通訳を務めていた水原一平氏による違法賭博スキャンダルが浮上した、ドジャースの大谷翔平選手。専門家からは、大谷選手がマネーロンダリングの容疑に問われる可能性を指摘する声が上がっている。

水原氏はドジャースを解雇される1日前、ESPNの取材に対し、大谷選手が水原氏のギャンブルの損失を穴埋めするため、大谷選手自身がパソコンから違法賭博師のマシュー・ボウヤー氏の関係者に金銭を送金してくれたと語っていた。

水原氏はその翌日、説明を一転させた。大谷選手は自分の借金について認識しておらず、送金もしていないと前言を撤回した。大谷選手の顧問弁護士バーク・ブレトラー氏は、「翔平が大規模な窃盗の被害者であることがわかった」と主張した。

ニューヨークポスト紙によると、NBAの元審判ティム・ドナフィ氏の不正工作疑惑事件に取り組んだ元連邦検察官ジョシュア・A・ナフタリスシ氏は22日、CBSの番組で、当初大谷選手は借金について知っていたようだが、その後一転したという展開は「非常に印象的」だと指摘。「連邦犯罪であるマネーロンダリングの世界に巻き込まれる可能性」があると述べ、「たいていにおいて、隠蔽は犯罪よりも悪い」と加えた。

借金の穴埋めと窃盗には大きな違いがあり、「どうやって事実を取り違えたのかと疑問に思うだろう」と問題を示唆した。

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カリフォルニア州ギャンブル依存症委員会の共同設立者I・ネルソン・ローズ氏もCBSニュースに対し、大谷選手が借金について合意した上で送金した場合、「ブックメーカーの借金回収を手助けした」こととなり、「非常に悪いこととなる」と語っている。ただしこれは、大谷選手が「自ら」金銭を渡した時に限られる。代理人の主張にある「盗まれた」場合は、共犯とはみなされないという。

ESPNは、大谷選手個人の銀行口座からボウヤー氏の関係者の口座に、50万ドル(7,500万円)の送金が2回行われた記録を確認したと伝えている。明細には「ローン」と書かれていたという。

AP通信によると、国税庁(IRS)は現在、水原氏とボウヤー氏の捜査を行なっているという。現時点で、2人とも賭博に関する罪には問われていない。