ニューヨーク市ダウンタウン・ブルックリンに完成した93階建ての超高層ビル「ブルックリン・タワー」(Brooklyn Tower)。周辺住民から「悪魔のオーラ」を放っているなどの声が上がっている。
ブルックリンで最も高い約325メートルの建物を手掛けたのは、SHoPアーキテクツ。同社は、”ビリオネアズ・ロー”と称されるマンハッタンの57丁目にある”世界で最も細長いビル”「111 West 57th St」を設計したことでも知られる。
The LEVEN Team recently toured Brooklyn Tower, the borough’s first super tall, soaring over 1,000 feet with condos starting at 535’ high in the sky and never-before-seen views over Manhattan and Brooklyn.
— LEVEN Real Estate (@LEVENrealestate) May 11, 2023
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▼ビリオネアズ・ローにある「111 West 57th St」

建築士のグレッグ・パスクアレッリ(Gregg Pasquarelli)氏は、地元メディアNY1に、黒い鉄鋼や銅、巨大な窓で構成された建物は、「ブルックリンのエンパイア・ステート・ビルディング」になると語っていた。
53階以上には150戸のコンドミニアムが入り、今年3月に販売を開始した。価格帯は、ワンルームのスタジオが87万5,000ドル(約1.2億円)、4ベッドルームが800万ドル(10億円)だという。52階以下は賃貸物件で、400戸のうち30%が通常の家賃よりも安いアフォーダブル・ハウジングとして貸し出される。
住民から非難
ダウンタウン・ブルックリンは、2004年に始まった区画整理によって、高層ビルが次々と建設され、ヒップホップコミュニティなど、アフリカ系アメリカ人のカルチャーを消し去ったなどの批判が寄せられている。
住民からは、ブルックリン・タワーに対し、「邪気を発している」「想像力の欠如の一例」などの声も上がった。ニューヨークポスト紙によると、30年以上同地に住むラウル・ロスブラットさんは今月初頭、建物に別の名称を与えようとSNSで呼びかけた。この中で、映画に登場する邪悪な構造物になぞらえ、「ダークタワー」や「魔宮」「目のないサウロンの塔」などと呼んでいた。
一方で、賞賛も寄せられている。クーパー・ユニオン・アーウィン・S・チャニン建築学校のネーダー・テヘラーニ教授は同紙に対し、ブルックリンのスカイラインを再定義する建物で、「非の打ちどころがない」と絶賛。周辺住民には保守的な傾向があるとしつつ、パリの観光名所エッフェル塔を例に挙げ、完成直後は「完璧に嫌われていた」ものの、現在は街になくてはならない存在になっていると語った。