「記憶力の弱いお年寄り」バイデン氏に解任求める声

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lev radin/shutterstock

バイデン大統領が機密文書を自宅や事務所などに保管していた問題で、特別検察官の報告書に記された衝撃の内容をめぐって、共和党議員らから解任を求める声が上がった。

ロバート・ハー特別検察官は約300ページにおよぶ報告書の中で、刑事訴追を見送るとする一方で、大統領として史上最高齢のバイデン氏の記憶力の問題に言及。2017年に行われた回顧録のゴーストライターとのインタビューおよび検察による聴取に応じた際、バイデン氏は「記憶が著しく限られていた」と説明した。

大統領選に向けて有権者に広がる健康面の懸念を払拭したい最高司令官にとっては厳しい内容で、ハー氏は、ゴーストライターとのインタビューについて「しばしば痛ましいほど遅く、出来事を思い出すのに苦労し、時に自分のノートに書かれた内容を伝えようと力むことがあった」と指摘。検察とのインタビューでは「さらに悪化していた」とし、「彼は副大統領だった時期を覚えていなかった。インタビュー初日は任期終了の時期を忘れており、二日目は任期開始の時期を忘れていた」「過去数年のことでさえ、彼は息子のボー氏が亡くなった時期を覚えていなかった」と記した。

検察のインタビューに応じたバイデン氏は「同情的で善意に満ちた記憶力の弱いお年寄りの男性」だったと述べ、訴追を見送る理由の一つとして「故意の立証を必要とする重大犯罪で有罪判決を受けるべきだと陪審に納得させるのは難しい」と説明した。

不意打ちを喰らったバイデン氏は8日夜、ホワイトハウスで会見を開催。息子の死亡時期を覚えていなかったとされた件に触れ、「一体全体、どうしてそんなことを持ち出すのか」と怒りをにじませた。「毎年のメモリアルデーに彼を思い出す会を催し、友人や家族、彼を愛した人々が参加している。彼がいつ亡くなったか、他界したかどうかを思い出すのに、私は誰も必要としていない」と反論したほか、「私の記憶に問題はない」と宣言した。

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せっかくの反論の場だったが、記者の中東問題に関する質問に回答する際、エジプトのシーシー大統領をメキシコ大統領と言い間違え、いらぬ批判を招く結果となった。

共和党議員ら修正25条の発動を要求

ニューヨークタイムズでさえ「裏舞台のバイデン氏の公式説明」と評した検察の描写は、政権奪還を狙う共和党にとって格好の攻撃材料になる。

ニューヨーク州選出のクラウディア・テニー下院議員(共和党)は、メリック・ガーランド司法長官に宛てた書簡で、憲法修正25条の発動によるバイデン氏の解任を検討するよう呼びかけた。

FOXニュースによると、テニー氏は「裁判に耐える精神的能力がない場合を除いて、訴追されるべきだ」と主張。一方で、「自分が何の職位にあったか、いつ就いていたかを覚えていないのは、非常に憂慮するべきである。息子がいつ亡くなったかを覚えていないことは、それが数年の時間枠内であっても、彼の精神的な障害をより明確に示すものだ」「大統領としての責任を遂行する能力が欠けているように見える」と指摘した。

「憲法修正25条に基づいて大統領を解任する手続きを検討するのはあなた方の義務である」とし、「バイデン大統領は起訴されるか、さもなければ解任されなければならない。中間はない」と二者択一を迫った。

テニー議員以外に、リック・スコット上院議員(フロリダ 共和党 )、ジョシュ・ホーリー上院議員(ミズーリー 共和党 )、マージョリー・テイラー・グリーン下院議員(ジョージア 共和党 )らも修正25条の発動を求める声に加わった。

ケネディ大統領の暗殺事件後に制定された修正25条では、大統領が死亡したり、辞職したりした場合の承継の順位と手続きが定められている。本人以外に、第4節では副大統領と閣僚の過半数が大統領の職務不能を議会に申し立てることで、副大統領に大統領権限を移譲できるとされている。ただし、大統領が自ら不能ではないと議会に通告し、副大統領らがそれと争う場合、最終的に議会の3分の2の賛成が必要となる。

民主党は2021年の議事堂襲撃事件後、弾劾と並行して、修正25条の発動によりトランプ氏を追放する可能性を探ったが、ペンス副大統領は修正25条は「処罰や剥奪の方法」ではなく、発動は「悪い先例になる」と反対した。