プーチン大統領 トランプ氏の無知ぶりに辟易?ウクライナ侵攻時期にも影響、元米ロシア担当

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国家安全保障会議で欧州・ロシア担当上級顧問を務めたフィオナ・ヒル氏によると、ロシアのプーチン大統領は、トランプ氏にすべてを説明しなければならないことに不満を感じていたという。

シカゴ・グローバル評議会のイベントに出席したフィル氏は、ロシアのウクライナ侵攻の戦況について語った後、勝敗の境が完全に曖昧になっており、終結の道筋を見つけるのは極めて難しくなっていると説明。長期化するとの考えを示した。「高度に管理された国内環境」では、プーチン氏は簡単に説明を変えることができるとし、ある時点で侵攻をやめることを選んだならば、自ら十分だと思った時だろうと話した。

今を侵攻の時期に選んだ理由について、プーチン氏は米国が「講和を求める」ことを期待している述べた上で、そのためには「いつもすべてを説明しなくてはならない」トランプ氏よりも、バイデン氏と交渉する方が良いと考えたからだと語った。

ヒル氏は「彼(プーチン氏)は、バイデン氏のような汎大西洋主義者で、NATOについてすべてを心得ており、ウクライナがどこにあるかを知っていて、歴史に明るく、国際問題に精通している人物が、交渉に相応しいと考えた」と説明。続けて「トランプ氏に何度も苛立ちを感じていたことがわかる。なぜなら、物事を説明し続けなければならず、プーチンはそれが好きではなかった」と話し、「自分が関わる相手に予測可能性を持っていたいと思っている」と加えた。

なおハーバード米国政治研究センターによる世論調査では、62%の有権者がトランプ氏が大統領を続けていれば、ロシア軍によるウクライナ侵攻はなかったと答えた。回答は、共和党が85%、民主党が38%と党派によって大きく分かれた。全体の38%は、トランプ氏が大統領でもロシアのプーチン大統領は侵攻したとしている。

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トランプ氏本人は3月、フロリダで開催された保守派のイベントで、自分が大統領であれば、侵攻はなかったと説明。「われわれの政権下で、ロシアは他国と同様にアメリカを尊敬していたが、今ではバイデンは弱いと見られている」と主張していた。