怒れる住民、移民が乗ったバスを阻止 警官と衝突 NY市

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ニューヨーク市で19日、移民を乗せたバスの通行を阻止するなど、住民による抗議活動が行われ、10人が逮捕された。

抗議活動が行われたのは、共和党支持者が優勢の行政区スタテンアイランド。ニューヨークポスト紙によると、逮捕者のうち9人は、治安紊乱行為の罪で裁判所に召喚された。

市には現在、南部の国境を超えて入国した難民申請者が、連日到着している。昨年春以降、バスなどで市内に移送された移民の数は、10万人を超える。移民の生活保護など対応に追われる市は、最近、スタテンアイランドにあるプライベートスクールの旧校舎や老人介護施設などを、シェルターに転用すると決定。住民から、反発の声が上がっていた。

移民と住民との間に直接的な衝突はなかったという。デモの参加者は、警察が到着するまで「平和的」に抗議活動が行われていたが、警官が加わったことで「暴動に変わった」とポスト紙に語った。別の人物は、警官は抗議者の数より多く「越権行為」だと指摘。「われわれは誰よりも警察を支持し、良好な関係を築いてきたのに、恥ずべきだ」と逮捕に抗議しているという。

住民はシェルターの外で、英語やスペイン語、ウクライナ語、中国語で「この建物は安全ではないため、マンハッタンのホテルに戻るよう」呼びかける音声を終日流し続けたり、夜間、建物にライトを当てたりするなどして、移民にハラスメントを続けている。

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エリック・アダムス市長はテレビのインタビューで、これらの抗議活動について、少数派による「見苦しいディスプレイ」と非難。市民の意見を代表するものではないと述べるなど、取り合わない姿勢を示した。

この一方で、今月頭にマンハッタンで開いたタウンホールミーティングで、移民問題には「終わりが見えない」と説明し、街を「破壊する」と危機感を滲ませていた

アダムス氏は、移民の受け入れにかかる費用は、今後3年間で120億ドル(約1.8兆円)に達する可能性があると発表している。ニューヨークポスト紙は、移民1人あたりに費やされる公費は、約4万ドル(約600万円)と試算している。

シエナ大学が先月、ニューヨーク州の有権者を対象に行った世論調査では、82%が移民の急増について「深刻な問題」と回答した。58%が、移民の受け入れを制限するべきと答えた。また、過去20年にニューヨークに定住した移民について「利益はない(32%)」「足枷となっている(46%)」との見方を示している。